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拓海のホルン  作者: 鈴木貴
エピローグ
132/132

132.吹部の戦いは終わらない—冬の新人戦へ

始業式で、「吹奏楽部、起立」と言われた瞬間——


黒沢や女子2人に小突かれ、気づいて立ち上がる。


夏のコンクールでの金賞受賞の報告。


そして、校長先生から改めて賞状と記念の盾が授与される。


部員たちに向けて拍手が送られた。


さらに、吹奏楽の月刊誌「ブラスやろうよ」や、 邦楽系雑誌「月刊邦楽情報」に、


吹部と松下さんの記事が掲載されることも発表された。


これは部員たちも初耳だった——驚きが広がる。


舞台のスクリーンに掲載記事が映し出される——。


「ブラスやろうよ」には、 『全国大会にはいかなかったが注目の団体』として紹介され、


期待の新人編曲家として松下さんの名前と、 コンクール当日の笑顔集合写真が掲載されていた。


また、「月刊邦楽情報」にも同様に紹介されるが、 詳細はまだ制作中で、近日中に確認用の原稿が届くとのことだった。


全国へ行く——。


それが大会ではなく、全国紙への掲載という形で実現した。


……思ってたのと違う。


ちなみに——両方の雑誌の記事の下に、 千葉さんの会社の広告が掲載されていた。


たくましいな——。


まだ何か仕掛けてくるのか?


口止めされてるから言わないけど——。


てか、詳しいこと忘れちゃったけど。


教室に戻り、席に着くと——


クラスメイトが話しかけてくる。


「吹部、今年もすごいね。」


「やったじゃん!」


「あ、ありがとう……。」


少し焦りながら、そう答えた。


「俺——下手なんだよ。


先輩たちが超うまいから、それにくっついていただけで。」


そう言ったんだけど——。


「だとしても、ついて行けたんだろ?


舞台で演奏して——金賞だろ?


すごいよ。」


……あまり伝わっていないようだった。


悪いことじゃない。


まあ、いいっちゃいいけど。


始業式が終わり——一旦帰宅。


その後、部活のために再び登校する。


音楽室に入った瞬間——。


久しぶりに感じるこの空間のエネルギー。


元気な雰囲気が充満している——。


ミーティングが始まる。


内田先生が、静かに言った。


「夏のコンクールは——全国へ行けなくて残念だった。


でも——まあ、良かった。


終わったことだ。


各々——見つかった課題を、今日から取り組んでいけ。


次は、冬の新人戦だ。」


- 完 -

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