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東方二次創作【識神譚】  作者: 遊鑼鳴世
第二章 濃霧異変
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濃霧異変 31 決着と連行

Twitter→https://x.com/yudora_naruse?t=NXot8S_6i15vALkK1tmwyg&s=09


この作品は東方Project様の二次創作です。

※オリキャラ多数

※独自設定多数

※キャラ崩壊そこそこ

※投稿不定期

以上の点に注意してお楽しみ下さい。

「―――――――――!!」


虚惨(ニヒリティ)屍墜焉(エンドフォール)》は、全てを呑み込む虚無の力を呼び出し、声のない断末魔を最後に背理神を消し去った。

それは始まりよりも古きものであり、《全ての母》と尊称される、最初の《有るもの》超越神オルクレアが生まれた際に定義された《十の力源》の一つだ。

《有るもの》と対になる《無いもの》。

言うなれば、全てに対する否定だろうか。

しかしそれはルージェの預かる《概念》とは別の力だ。

当然のことだが、《概念》の力源では《虚無》の力を扱うことは出来ない。

模倣程度のことであれば不可能ではないが、力の本質を真似ることは出来ないだろう。

だがルージェは、長大な詠唱を必要としたとはいえ本物の《虚無》の力を扱ってみせた。

その秘密は、ルージェの出自にある。

ルージェは元悪魔族だ。

悪魔族とは、創造神がその権能によって《有》を秘めた種族、天使族を創り出した際にその反動として生まれる種族なのである。

世界の中で、《有》と《無》は均衡を保とうとするかのように作用する。

《有》の力の現れである《創造》の権能に対する反動として、《無》の力そのものと言うべき《虚無》から悪魔族が生まれ落ちる。


「お父様が《虚無》をヴァーミリオン様に預けると仰られた時は意外に思ったものだけど……」


天使族が《創造》の権能を扱えないように、悪魔族も《虚無》の権能を扱うことは出来ない。

しかし扱うことは出来なくとも、僅かながらも親和性を有する。

《虚無》は危険な権能だ。十の力源の中でも《魂源》と並んで特に扱いが難しい。

親和性があるルージェに任せるのが無難だろうと誰もが思っていた。


「そう? ボクは嬉しかったよ? 主様(マスター)が種族じゃなくて()()を評価してくれたこと」


ルージェは飄々と応えるが、態度ほど余裕があるわけではない。

その証拠に、既に神域を解除している。

アルヴィーラは遥かに負担の大きい神域をまだ維持しているというのに。

古典的ではあるが、死んだふりという可能性もなくはないのだ。

普段のルージェであれば、終わってすぐ神域を解除する選択はとらないだろう。

いくら超越の域に足を踏み入れているとはいえ、《虚無》の力は荷が重い。


「それに、この力はボクにピッタリだしね」


《概念》の権能は、十の力源の中では戦闘にむかない方だ。この力を活かすには、無数の戦闘経験に基づく判断力が必要なのだ。

御方は僅かな親和性より、《虹の九騎士》最年長のルージェが積み重ねてきた経験を重く見たのである。


「うんうん。流石はお父様!」


「アルヴィーラ、そればっかりだよね……」


何かにつけ「流石はお父様!」と持ち上げるのだが、彼女を創った御方も「性格は弄ってないのになぁ」とボヤいていたので、どうしてこう育ってしまったのかは不明だ。


「? それが何か?」


お父様を讃えるのは当然のことだろうという顔だ。


「なんでもないよ。うん」


そんな二人の元に、アルファが転移してくる。


「そろそろ気が済みましたか? ルージェ様」


「うん。満足した」


「それは何よりです。では、申し開きに参りましょうか」


「うげっ。そうだった……」


どんな顔をして主様(マスター)に会えと言うのか。

しかしそれは、自分がしでかしたことだった。

己の在り方に関わることだったとはいえ、それが主様(マスター)より優先されるわけではない。

今回は「やるな」と命令されていたわけではなかったために命令違反ではないが、グレーゾーンなのは確かだ。

それに、報告しなかったという問題もある。

今回のような案件は、事前に報告し許可を取らねばならないのだ。

命令違反に比べれば軽い罪ではあるが、罪は罪だ。


「あ。そうだった。連れ戻しに来たんだった」


今思い出したらしいアルヴィーラの様子を見て、アルファはするはずのない頭痛を感じて思わずこめかみを押さえた。


「はぁ……」


ついつい呼吸の必要もないのに盛大なため息が漏れてしまう。

どうしてこう同僚達は揃ってマイペースなのだろうか。


「それで、まさかお逃げになったりはしませんよね?」


その場合は叛意ありと報告せざるを得ないだろう。

そうはなって欲しくはなかった。


「まさか。もちろん、行くよ」


気が乗らない様子ながらも、ルージェはそう答えた。

逃げても事態が悪化するだけだということくらいは、当然ルージェもわかっているのだ。


「では、参りましょうか」


こうして、三人は揃って御方の元へと帰還するのだった。

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