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第2話「消えた答案」
佐伯は、模試会社に勤める元教え子・畑中に連絡した。
「順位データが、書き換えられているかもしれません」
畑中によれば、模試システムには本来触れられないはずの「補正処理」機能があり、涼木の順位発表直前に不自然な頻度で使われていた。しかもそのログは、涼木が死ぬ二日前に消えていた。
一方、美咲は放課後、涼木の空になった机を見つめていた。まるで、彼が最初からそこにいなかったかのように。彼が電話で「僕の順位、本当にこれで合ってるんですか」と話していたのを思い出す。彼女は、ネットで見つけた佐伯の連絡先にメッセージを送った。
○涼木の手帳(死の三週間前)
また一位だった。嬉しいはずなのに、胸がざわつく。順位発表の直前、いつも職員室から「確認」の電話が入っている気がする。気のせいだと思いたい。こんなこと、誰にも聞けない。
佐伯は手帳に書いた。
「偏差値は、測るものではなく、作られているのかもしれない。」




