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奴隷としての生、そして転機

一気に飛ぶという不思議仕様。

目が覚めたときには異世界に生まれていて、しかも奴隷より地位が低かった、何を言っているのかわからないと思うが実際俺もよくわからない、魔術とか、世界を超えたとか、そんなちゃちなもんじゃぁ談じてねぇ、もっと恐ろしい怨念を味わったぜ…


どうやら俺は貴族とかそんなもんじゃなくて、平民で犬人族らしい、それも人と人との間で生まれたため、先祖の祟りとも言われた、お前ら俺を何だと思ってるんだ。


そういうわけで奴隷として生きている俺だが、気が付いたら六歳、今は城を新しく作るとかのことで、石材を運んでいる、結構でかいが、運べないわけではない、それにがんばれば優遇してもらえるかもしれない、という環境なので必死に走っているわけだ。





…まあ犬人族という理由で無理かもしれないのだが。


そうして今回もぶっちぎりの一番で一番上まで行き、神官に敬礼をしながら報告する。


「奴隷番号096、紋章石材運び終わりました!」


「ふむ、今回も一番だな、よし、今日は休んでいいぞ」


この神官は犬人族や奴隷にも優しいことで有名だ、そのためこの神官のときは俄然やる気が出る。


「はい!しかし、自分だけが休むのも悪いと思います、あと少し仕事をいただけないでしょうか」


しょうがないが、目上の人間のため敬語を使う、本当は使いたくないのだが、使わなかったら即首を切られる、だからだ、なんでこんなゴミみたいな人間どもにコキ使われなきゃならんのだ。


「ほうほう、最近の奴隷にも仕事熱心なものがいるものだな」


後ろから声がし、振り返るといかにも貴族らしい服を着たデカイムキムキ男が立っていた。


「な、アルドロフ様!なぜこんなところに!暗殺を企てている奴隷もいないわけでは…!」


「気にするな、一応剣は持ってきておる」


何言ってんだこいつ、しかもアルドロフって名前は聞いたことあるな…聞いてみよう


「奴隷で犬人族の身ながら、お失礼ですが名前をお聞きしても?」


「ふむ、最近の奴にしてはやけに謙った物言いをする奴だな、私の名前はアルドロフ、アルドロフ・クエイス・アルトル・イスヴィだ、一応だがこの領地の領主だ」


ああ、そういえばここはアルドルフ領とか言ってたっけ、奴隷だからどうでもいいや~って感じに流してたわ。


「もうしわけありません、アルドロフ様、奴隷の身であるため、あなた様の…」


「よい、気にするな、そんなことより仕事の調子はどうだ」


アルドロフは神官に最も重要なことを尋ねる。


「はい、現在のところ約九割は完成しております、後一月くらいの時間があればできるかと」


「半月だ、至急頼む」


「わかりました、其の分奴隷のやる気を出すような料理を振舞わなくてはなりませんね」


そろそろお邪魔だろう、帰るとするか


「アルドロフ様、わざわざお声をかけていただき有難う御座いました、それでは…」


「ふむ、少し待て、お前は算術は出来るか?」


何聞いてんだこいつ、奴隷だからわかるわけないだろ。


「いえ、申し訳ありませんが…」


「3の四乗×9の八乗+1200+500×5000の答え」

「2506642」


「なんと」


やべっつい前世の癖でがんばって覚えた物がすぐ出てしまった…


何がやばいかって言うと奴隷だから知能がないと思われている、奴隷ってのは道具だ、よく働く道具はいいが自分の考えを言い過ぎたり行き過ぎた知識を持つとだめな物でもある、つまり、何で奴隷が計算できるかってこと。


「お前、ついて来い」


「いやしかしその犬人族が人様についていくとかしかも奴隷なのにとかって言うかそんな問題以前にいろんな目って言うか」


「ごちゃごちゃ言わんでついて来い!!」


やだ…この人男らしい。




とまあそんな感じで俺は貴族の家に連れて行かれることになったしまった。


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