最強なら、悪役で - 倫理観がないなら、効率で
勝負を楽しむ、桜の異世界ファンタジーです。
女神が自分の部屋の扉を開けようとした。
「へぶしっ」
開かないと思ってなかったのか、扉に激突した。
隙間から中を覗くと、大きなリュックがあった。
「桜〜?開かないんだけど〜!」
「今どかす。」
部屋に入ってリュックを見ると、中に物が詰まっていることがよくわかった。
「すっごい荷物ね〜。どうして?」
「勝負に勝つため。」
「いつものように現地で作ればいいじゃない。」
「それはダメ。お兄ちゃんに邪魔される。」
そう言って、桜はメモを取り出す。
「お兄ちゃんについてわかっていることは四つ。一つ目は、私と魔法タイプが違う。二つ目は、魔法を探るのが得意なこと。三つ目は、私を邪魔する気でいること。四つ目が、私の最大爆発魔法を阻止できること。」
「なるほどね。魔法を使ったら居場所がバレて邪魔されるってわけだ。」
「イグザクトリー。だから極力飛ばないで。」
「おっけー!」
そう女神が返事すると、桜はまた荷造りを始める。
その膝下で、黒猫の魂がゴロゴロと喉を鳴らしていた。
ピンク色のどこにでも行けるドアをくぐる時、荷物が少し引っかかってしまったが、無事に異世界に辿り着いた。
桜は、時計を見る。
時計は11時59分を指している。
カチカチと、時計が音を立てる。
目の前の国では、平和な喧騒が響いている。
針が12時を指した瞬間。
桜は何かのポーションを飲み干す。
桜に想像を絶する吐き気が回るが、その代償に速さが上がる。
女神が少し瞬きをした瞬間。
目の前の国は真っ赤に染まっていた。
女神は驚く。
そしてその時、国全体に地面から大量の大きな針が伸びる。
しかし、突き抜けるのは全て死体。
その光景を1秒の間に見た女神は、何が何だか分からなくなった。
気がついた時には、近くで桜が吐いていたのを発見した。
「ど…どうなってるの!?」
「お兄ちゃんが全部の国に針を刺すと思った。だから先に殺した。」
そう説明した桜は、鞄からまた何かを取り出す。
目を凝らしてみると、ポイポ○カプセルのように見えた。
桜はそれを投げる。地面に当たると、大きな建物が出てきた。
その中に、まだ生きている2人の男女を放り込んだ。
そして、桜は自分の体に手を入れる。
「えぇ!?」
そして自分の魂に欠片を取り出した。
それを近くにいた黒猫の魂に突っ込む。
「にゃぁぁ!!」と、声を上げた時には、黒猫の魂が変化する。
みるみるうちに変化して、姿が桜に猫耳と尻尾が生えたような姿になる。
「貴方はあれをして。」
「わかった。」
同じ声同士で話す2人にさらに女神が混乱する。
「何がどうなってるのよ〜!」
流石に混乱させっぱなしはダメかと思って、猫桜にナイフを渡してから、女神に桜が説明する。
「あの建物は人間の子供を効率的に作って殺す建物。」
「……?」
「つまり███で███して███ってこと。」
「倫理観!!今回のは本当に倫理観が無いわよ!約束のネ○ーランドより酷いわよ!」
「勝負に勝つためには、ポイントを増やさなければならない。」
そう言っている間に、猫桜が何かを切り刻む音と、ポイントが入る音が聞こえた。
「次は主人公がいる国に向かう。あそこは主人公が守っているはず。」
そう言ってから、「はい、これ。」と女神にポーションを渡す。
「飲むの?」
「そう。」
桜が一気に飲み干すのに釣られて、女神も飲み干す。
物凄いスピードで、別の国に向かった。
「にゃあん。」と、猫桜が鳴いた。
続く……




