最強なら、悪役で - 朝ぐらいは、穏便で
このペースだと打ち切りみたいになりそうな異世界ファンタジーです。
『/[{□△}] ⌘ ☍:hand front ✳︎;』
桜は、生成された包丁を手に取る。
「やっぱりね、これに落ち着くのよ。」と、目の前の男を見つめる。
恐ろしさのあまり腰を抜かし、動けないようだ。
桜は包丁を振り下ろし、男の左手に刺す。
男は、体が壊れるほどの悲鳴をあげる。その悲鳴はもう自分の命は助からないことを意味している。
次に、右手を刺す。
しかしとっくに意識を失っているようで、反応がない。
『/[{◯△}] ⌘ ☍:front man ・;』
と、弱い電気を与え、意識を強制的に活性化させる。
すると男はまた悲鳴をあげる。
その時には、腹に包丁が刺さっていた。
刺して、起こして、刺して、起こして。10分に及ぶ拷問のような時間は、桜にとっては楽しい時間と同じ。数秒にしか感じられなかった。だから、また人を探して歩き回る。
刺して、起こして、殺して、探してを繰り返すうちに、日が暮れてしまった。
仕方がなく、血で赤く染まった家に泊まることにした。
女神はものすごく嫌がっていたが。
魔法の炎が部屋を照らす中、桜と女神はテーブルに座り食事をしている。
女神は食べ物が喉を通らないそうだが。
「あんた人間よね。」
「うん。」
と、人肉を焼いた物を食べながら桜は答える。
「嘘ついてる?」
「ついてない。」
今度は頭蓋骨を転がして遊び始めた。
「やっぱり人外だわ。」
「どこを見てそう思うの?」
今まさに録音した悲鳴を聞いているその姿だよ。と女神は思う。
ここは、異世界。
これから消滅させる異世界。
◯
早朝。
小鳥の囀りと、生き残りの悲鳴で、女神は目を覚ました。
自分の部屋じゃないことを思い出し、洗面所を探す。
洗面所には生首が詰まっていて使えなかったので、庭の水道で顔を洗おうとした。
その水道は血で真っ赤になっていた。
モーニングルーティンのランニングをしていると、元気に咲く花と、肉塊となったナニカを見つける。
女神は吐いた。
朝食前だからまだ良かった。
借りている家に帰って、着替えのためにクローゼットを開く。
昨日着ていた服をここに干していたのだ。
一緒にかかっている人間の皮を使った服を避けて、自分の服を取る。
キッチンに入って朝食のパンを作っていると、棚の中のいちごジャムが血に変わっていることに気づいた。
そこには小さな紙で、「サプライズ!」と書かれていた。
ちくしょうっ!と思いながら、パンを焼く。
今日は晴れているから、外で朝ごはんを食べよう。そうしたら気も楽になる。と、思い、外に椅子を用意する。
朝の風に吹かれながら、パンを齧る。
鉄っぽい味がした。
いつのまにかパンがいちごジャムのパンになっていた。
「どうしてつけなかったの?」と書かれた、紙が置いてあった。
女神は桜のいたずらだなぁ〜っと思いながらパンを地面に投げ捨て、立ち上がり、背伸びをして、言った。
「う〜んっ最悪な朝だ!」
○
その頃、桜は、女神が叩き落としたと思っていた血みどろパンを齧りながら、この前受け取ったチラシを見ていた。
そこには、この世界の主人公の情報が書いてある。
仲間を増やしてしまうチートを受けているようだ。
それを確認しながら、また人を殺しに行った。
続く……




