あきらめる
結果逃げられなかった。親子にがっつり掴まれ離してもらえなかったのだ。
ロイド様とハンナ様には私達が本当の両親になれると話され、レイモンドだけでなく私達とも家族だと説得された。一緒に出かけたり食事をしたり楽しいよって。その提案には凄く惹かれた。
レイ様は2度と離す気はないと言い、くっついて側から離れなかった。領地に来たのも捜索のついでに寄っただけらしく、ずっと探してくれていた。元々嫁にするつもりで連れ帰っていたらしく意外と腹黒かった。
「また一緒に食事しましょうね」
「ありがとうございます。お世話になりました。」
レイ様と戻る日お2人とお別れの挨拶をする。寂しい。ハンナ様はまたすぐ会えるわって言ってくれ抱きしめてくれた。私やっぱりココに…言い終わる前にレイ様に馬車に乗せられ、じゃまたと言い発車する。
「アリス…私の事は嫌い?一緒に居たくない?」
「そんな事ないです…」
抱えられ膝の上に座らされる。降ろしてくださいとお願いするが聞いてくれない。
「…会えなくて寂しかった。ずっと会いたかった。」
「レイ様なら他にいくらでも選び放題ですよね。」
「助けられて目を覚ました時、アリスを見て女神だと思った。何にかけても守るとあの時決めたんだ。扱いを聞いて許せなかったし、私が守りたいって。」
「レイ様…」
本当に?思い込みじゃない?私床に寝てただけだよ?
「嫁ぐのも希望だったんだよね?誰でも良かったんだよね?じゃあ私で良いじゃない。徐々に好きになってくれたら良い。側にいて欲しい。」
「レイ様は…好きですけど。本当に私でいいのかなって」
「いいに決まっている。私と結婚しよう?」
「わかりました。よろしくお願いします。」
着くまで抱きしめ続けられた。どんな拷問だ。公爵家に着くとローズマリー様が走ってくる。ごめんなさーいて泣いている。
「私あの後…お兄様に怒られて。凄く怖くて…本当にごめんなさい。許してください!」
あ、これは怖かっただけの謝罪だ。巻き込んだのは事実だし私も謝る。
「私がお願いした事でご迷惑をおかけしました。これから仲良くしてください。」
ローズマリー様はうんうんって首が取れそうな程に頷いている。そんなに怖かったんだ。普段怒らない人が怒ると怖いと言うがあれかな。
「そういえばアリス。伯爵家なんだけと…追い出したから。」
「…は?」
「上司に掛け合って虐げられた証拠提出して、当主交代になったからね。アリスの父の親族かな?アリスは今そっちの養子になっているから。どうせすぐ私の籍に入るしいいよね?」
まさか我が家の問題終わっていた。一家はどうなったのですか?て聞くと、義母の方に行ったみたいだよって。義母は男爵家出身だったはず。そちらにか…呆気ない終わりだな。あんなに悩まされていたのに。
「ありがとうございます。」
「上司がすぐ動いてくれたからね。今度一緒に来るように言われているから行こうね。」
「上司ですか?」
「そう。直属の上司。第三王子殿下だよ。昔から仲良いから軽い気持ちで会えば大丈夫だから。」
頭が痛い。そうだこの人公爵家嫡男だ…騎士団でもそんな所にいるんだ。雲の上すぎない?
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「よく来てくれたね。レイモンドが選んだ相手に会いたかったんだ。」
「第三王子殿下本日はお招きいただきありがとうございます。」
怖くないから大丈夫だよ。レイ様が言ってくれるが、そんな訳ない。殿下だよ?王子様なんて絵本の中の人だよ?
「仲が良いみたいで羨ましいよ。まさかレイモンドが先に結婚するとはなー。」
「殿下が選り好みしてるからでしょ。早く誰かに決めなよ。」
「縁談を無視し続けた奴に言われたくない!」
本当に仲が良いみたいで言い合いながら笑っている。殿下ばっかり見つめないでってレイ様に手の平で目を塞がれる。人ってそんなに変わるんだなって殿下が唖然としている。
「勘違いされるから愛称で呼ぶなって言い続けた男が…私も誰かを愛したいな。今日は来てくれてありがとう。会えて良かった。結婚式には呼んでね。」
レイモンドをよろしくと握手を求められ、慌てて手を出すとレイ様に止められる。殿下の手を叩き私のアリスに触らないでって。
殿下は笑いながらまたなって去って行った。あんな態度で大丈夫なんですか?て聞いても、大丈夫大丈夫って。
…結婚式に殿下来るの?夢にも思わない展開に恐縮してしまう。
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結婚式は盛大に行われた。殿下や高位貴族が続々と現れる事態に私は倒れそうになる。
まさか拾った時にはこんな事になるとは思わなかった。何でも拾ってみるものだと言ったら、レイ様にもう拾わないでねって言われた。
「絶対幸せにするからね。」
もう幸せですよって返すというと、びっきりの笑顔で抱きしめてくれた。




