1/10
あなたが「自分ごとの話なんだ」と認識した瞬間に、受動的なあなたが「能動的な探索」に変わります
俵屋宗達の『魂』が、数十年の時空を旅し、尾形光琳に転生したように。
光琳の『魂』が、百数十年の時空を超えて、グスタフ・クリムトに転生したように。
今そのミームが、あなたに宿る。その瞬間を、とくと味わってごらんあそばせ。
琳派は、時空を超えて、転生するのです。
次の転生先は、あなたです。
「なぜ私に?」
「何が宿ったの?」
あなたがそう感じた瞬間に、この物語は始まります。
かつて、ひとりの男がいた。
彼は筆を走らせるたびに、この世のものではない『光』の配置を覗き見ていた。
宗達が描いたその筆致は、死を超え、海を越え、時代という障壁を軽々とすり抜けてきた。
ある者は黄金の色彩にそれを見出し、ある者は冷徹な幾何学の中にその残響を聞いた。
彼らは皆、何かに取り憑かれたように『それ』を追い求め、そして歴史の影へと消えていった。
だが、勘違いをしてはいけない。
それは決して、美術館のガラスケースの中に閉じ込められた過去の遺物などではない。
今、この言葉を読み、背筋にわずかな震えを感じている――そう、あなたの中に。
その時空を超えた魂は、今まさに、宿る先を求めて彷徨い続けているのだから。




