胸が塞がる入学式! その5
馬車を降りると目の前に見上げるほどの巨大な門柱。
門柱は精緻な悍ましき魔物と阿鼻叫喚な様相の人間が彫刻されている。
そして遠く先の丘に宮殿風の学舎が見える。
ここが王立ハルマゲドン大学中等部なのか〜。
門柱の並びは通りになっており令和現代と似た街並みに感じる市街地の様相。
門番の詰所が門柱の陰にあり中からせむし男の守衛が出て来て下から睨めあげてくる。
せむし男というのは個体ではなくて種族なんだろうか。
似たような顔だ。
門からは歩いて校舎へと向かう。
ドミニクは門内には入らずに門の横にある側用人の詰所で待つそうだ。
門内の風景は左手に墓場がある。
こんな早朝なのにずっと先で埋葬作業をしている人影が見える。
右手は鬱蒼とした森。
遠くに怪鳥のような鳴き声がする。
まるでお化け屋敷のアトラクションの入口をゴージャスにして臨場感を出したセットのようだ。
臨場感ってこれ本物だった。
馬車で友達となったドリアードは僕の服の端を掴んで横を歩いている。
たまに聴こえる〈ギギギ〉には慣れないけどドリアードのお陰で不安だらけの気持ちに安心感が
芽生えている。
馬車に乗っていた他の生徒も出てくる。
20名近く居る。
結構乗ってたんだ。
人と違い風体自体が全然違う。
水牛のような大きな二双の角を持つ少年。
顔が四面ある少女。
大きな麻袋を被った人。
〈チカチカ〉と浮遊する物体で覆われた小さな人。
野獣のような人?
身体中に針を刺している人。
下半身が蛇の体の人。
毛むくじゃら。
ド派手なドレスの少女。
ずぶ濡れ状態の少年。
大きな籠を背負った少女。
双子のような少女たち。
一人一人全然違う異質な存在同士。
校舎の入口には受付らしきせむし男が3人並んでいる。
この手は全てせむし男…。
名前を聞かれる。
神宮寺 兎沙戯と告げると、
「ようこそ、王立ハルマゲドン大学中等部へ」と真ん中のせむし男が答えてくれる。
いや女性の声でよく見たら女性ぽい感じなのでせむし女だ。
次にドリアードが受付に歩み寄ろうとすると、
ド派手なドレスの少女が割って入る。
「下がれ死霊!カリギュラ家の前を行くなど身分を弁えなさい!ルシファ様の次は私です」
痛烈なカースト社会の風を感じた瞬間だった。




