サラレティア編〈8〉
遅くなりました。
宜しくお願いしますm(_ _)m
ティアは呆れたようにため息をついた。
「生憎貴方みたいに大人気ない人に構っているほど暇じゃないの」
ティアの言葉に周りからクスクスと笑い声があがった。副団長は顔を真っ赤にして怒りで震えているがレティアは相手にすることはなくサラレティアに話し掛けた。
「魔獣のことなんだけど雨が降ったおかげで今は森の奥に戻ってるよ。でもまた雨が降らず飲み水や草木が枯れると森から出てくるかも。今回のは比較的大人しい魔獣が多かったけど また雨が降らなかったら今度は攻撃的な魔獣も出てくるかもしれない」
「だから我々が討伐に向かうと行っているだろうが! 何もできないんだから黙って大人しくしていろ!」
「煩い! そんなに行きたければ一人で行ってきて。わたしは此処に居る人達の事は知らないけど怪我をしてほしくないし魔獣達にも傷付いてほしくない。しなくてもいい危険を回避しようとして何が悪い!」
陸な事を言わない副団長を真面目に相手にしていなかったティアだが 執拗く口を挟んで話を邪魔する事に怒りを覚え真っ向から対峙した。サラレティアはオロオロとしながら見ているだけで何もできなかったが 言い合いしている二人の間にさっきの話を詳しく教えてほしいと長の一人が割って入ってきた。ティアは長の目をじっと見詰めると長もティアを見つめ返す。副団長の様な嫌悪感もなく真面目に聞いているのが判ったので自分に答えられる事ならばと承諾した。
サラレティア達は邸で話し合いを。騎士団は落ち着いている魔獣を刺激しない様に森付近の見回りで様子を見ることにした。
邸に戻りティアは魔獣達のことを話し出した。魔獣が森から出ようとしていたのは水を求め移動していたから。あの集団には水を使う魔獣が一体も居なかったので危険を冒してでもそうしなければいけなかった。攻撃したのは自分達の身を守るため。悪意があった訳ではない。今は先日の雨が降ったこともあり森の奥へと戻っていった。池や泉、草木も枯れていたので森に居た精霊に頼んで一先ず元には戻してもらったが一部だけなのでこのままではまた移動する事になるかもしれない。因みに数は少ないが他にも移動していた魔獣を見掛けた。結局のところ今回のことは纏まった雨が降ることによって解決できるはずだと。
「・・・雨が降れば解決するか。水不足がこんなにも問題を起こすとは思ってもみなかった」
「どうすればいいのか・・」
長達は再び頭を悩ませた。一体どうすればいいのか。考えても時間が過ぎていくだけで解決策は浮かばない。だがふと先程のティアの言ったことを思い出した長が口を開いた。
「お嬢ちゃん! 森で精霊に会ったと言ったが水の精霊は何人居た?!」
その長はティアの両肩を掴み怖いくらい真剣な眼差しを向けながら聞いてきた。ティアは焦った。確かに森で精霊に会ったと言ったが実際には会っていない。森に居たのかもしれないが手伝いを頼むつもりはなかったので気にしていなかった。だから人数なんて聞かれても答えられる訳がないがこのまま黙っているわけにもいかない。なので目を泳がせながら恐る恐る一人ですと呟いた。もちろんその一人とは悠翔の事なので全くの嘘と言うわけではない。長達はこの答えにまたもや頭を抱えて悩み始める。幾らなんでも精霊一人ではこの窮地を救えるとは思えないからだ。
長達の落ち込み具合を見てなんとも言えない罪悪感を覚えてしまったティアはどうしようと焦りながら悠翔に話しかけている。
そんなティアと悠翔を見ていたサラレティアは二人の腕を引っ張って自室へと連れ込んだ。
「雨を降らしてくれたのは悠翔さんで間違いないですよね!!?」
部屋に入るなり詰め寄ってきたサラレティアのあまりの勢いに驚いたティアは首を縦に降ることしかできず 悠翔は苦笑した。
「ありがとうございます。まだ安心できる状態ではありませんが それでも助かった人は沢山居たはずです。なんとお礼を申し上げればよいのか 感謝の言葉もありません」
「何も気にすることはないよ。わたしはティアのお願いを聞いただけだよ」
サラレティアの必死な様に悠翔は頭をポンポンと撫で落ち着かせる様に優しく微笑んだ。サラレティアもこれ以上お礼を言い続けるのは悠翔の気遣いを無駄にしてしまうと思い最後にもう一度だけありがとうございますとだけ告げた。
「お二人ともお疲れでしょう。私の部屋で申し訳ありませんがよろしければお使いください。私はまだしなくてはいけないことがありますので失礼させていただきますが お気兼ねなくお寛ぎくださいませ」
サラレティアはぺこりと一礼すると部屋を出て行った。悩み続けている長達の元へと戻って行ったのだ。
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