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新天地で頑張ります(7)

 

「それはこっちの九個の石のついてる方に精霊達の力を込めて、こっちの何もない方に自分の相手となる人の魔力を込めるとお互いの気配を感じあうんだ。もし何かあったらこっちの精霊の力を込めたリングが力を発動して守ってくれるし、こっちのリングは魔力を込めた相手の力を借りることができるんだ」


「そっちのせいれいの方のリングはもう力がこめてあるの?」


「残念ながら自分でお願いして込めてもらわないといけないよ」


  成る程。とても気になるけど高そうなので当分買うのは無理だな。

 がっかりしてると毛皮等買い取ってとらった暁が近付いてきた。


「なにやってんだ?」


  お店の人に魔道具の説明をしてもらっていたこと、高くて当分は無理だと諦めていたところだと告げた。

  そこに暁の相手をしていたもう一人のお店の人がやって来てお金を稼ぎたいならこの町に屋敷を所有する裕福な商家の依頼を受けてみてはどうかと言われた。何でもその人が買った町外れにある家を久しぶりに訪れたら何故だが家に入ることができなくなってしまった。壁だか結界だか分からないが立ち入ることができない。仮に入ることができても体が痺れたようになってしまい動けなくなってしまうとのことだった。


「兄ちゃん魔獣を倒せるほど強いみたいだし良ければ試してみな」


  そうしてその商家の場所を教えてもらい店を後にした。

  魔道具は欲しかったが自分個人の願いだし、何が起こるかも分からないので依頼を受けようと言うのはやめておいた。


「ねえ暁、毛皮かってもらえたならしおだけでいいからかって。肉にあじがほしい。それで早くみんなのところにもどってこやをつくろう。ゆっくりできるばしょがほしい」


  買い物をしてみんなの待つ所へと戻った。

  小屋を建てると言っても疾風も居てるのでどう建てるのが良いかと考えているともう少し奥に行くと洞窟があるからそこに建ててはどうかと精霊達に言われ、取り敢えず見に行くことにした。

  その洞窟は前に疾風が住んでいた所より大きくて周りは木々で鬱蒼としていた。確かに隠れるにはいいかもしれないけど住むにはちょっと怖くてなんとも言えない場所だ。


「あんまり人も来なさそうだしいいんじゃないか。周りの草木をある程度切って この辺りに日が当たるようにすれば過ごしやすくなるだろう。それならティアも問題ないだろう」


『そうだね。ティアが怖い所に住むわけにはいかないもんね』


  どうやら暁と疾風には怖がっていたのがばれていたようだ。明るくなるように建てようねとお願いしてどう建てるかを話し合った。

  壁の一面の半分を作らず洞窟の入り口にくっつけて其処を小屋の出入口にし、疾風も頭だけだが入れる様にして独りぼっちにならないよつ にする。窓を残りの三面に作り光が入りやすいようにする。椅子とテーブルとベットを作って欲しいとお願いしたらベット以外なら問題ないだろうと言われた。

  いい加減ちゃんと寝れる場所が欲しい。藁のベットでいいんだけど藁を集めるのも難しいか。仕方ないので此方もお金が貯まるまで我慢しよう。

  作る物も決まり 先ずは草木の刈り取りを始めた。その木を使い椅子、テーブル、小屋を作る。風の魔法で切るから楽にできるし早い。木の魔法で組み立てていく。無属性の魔法も固定するのに使った。暗くなる前には出来上がった。これで今日から野宿じゃないね。

  残念ながらキッチンなんて作れなかったのでご飯は外で用意する。でも、今日は塩を買ってもらったのでどんな風になるか楽しみだ。塩だけとは言え味があるのはやっぱりいいよね。

  疲れていたのか肉が焼けるのを待っている間に眠ってしまった。

  気が付いた時は真っ暗で暁に抱っこされながら疾風に凭れて寝ている野宿の時の寝方と同じ状態だった。そのまま直ぐには眠れそうにないのでみんなを起こさないようにそっと外に出た。外は月の明かりで明るく星も沢山出ていた。これだけの自然の中、一人で立っていることが凄く寂しく感じ泣けてきた。


「にぃに、会いたいよぉ」


  もちろん無理なのは分かっている。それでも優しい顔を見せて頑張れって言って欲しい。大丈夫だよって抱っこして欲しい。少しの間でいいから会いたい。

  一人泣いていると足音が聞こえた。


「おい泣き虫。どうしたんだ」


「なんでも・・ない」

 

「こんな時に強がってどうするんだよ。大好きな兄ちゃんに会いたいんだろ」


「き・いてた・んだ」


「大好きな兄ちゃんは居ないけど、愛する旦那が居てるだろ」


  暁が予想外な事を言うので思わず凝視してしまったが、ばつが悪いのか視線をそらされた。


「なんだよ。何か間違ったこと言ったか」


「ううん、まちがってない。ありがとう暁」


  嬉しくて抱きつくと背中をポンポンとしてくれる。最近の見慣れた光景だ。暫くそのまましていると寝息が聞こえてきた。暁はティアを抱え疾風の下に戻っていった。





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