31話 勇者奴隷の思考
「……」
「と、とりあえず寝ようぜ。ライズも寝てるし」
おお、カズラルにしてはまともな事を言った。
「おやすみー」
「おう、おやすみ」
「それじゃ、俺も寝る」
……。
「お前ら寝付くの早ぇな。そんじゃ、俺も寝るか」
…………。
………………。
……………………。
『熟練度が一定に達しました。安眠が熟睡に進化しました』
「うわっ! ……通達か」
あー、こうやって起こされるなら悪夢とかだろ。テンプレ外しすぎだろ。
「今の声で誰も起きないのか」
ある意味スゲーな。俺だったら間違いなく起きるぞ。
「あー、寝る気に成れないなー」
そこら辺ぶらぶらするか。
「それにしても、なんで俺がこの世界に来たのかな?」
勇者召喚されたと思って舞い上がって、召喚されたらされたですぐに奴隷だもんな。今まで考えたこと無かった。本来なら一番気になる所なのに。
「普通に考えれば、俺が勇者召喚の条件にピッタリだったとかだけど……。そう考えると条件ってなんなんだ?」
例えば、生き物を殺すことを忌避せず、逆に喜んで殺せるからか? よくミミズとかネズミを焼き殺してたし。
だけど、それだけだとただの快楽殺人鬼にしかならないんだよな。実際に快楽殺人鬼のスキル持ってるけど。
「あ、トレントだ」
赤紫色でなんか気持ち悪いな。とりあえず殴ろう。
「ギシイイッ」
『熟練度が一定に達しました。腕力を修得しました』
あ、あと気になるといえばこのスキルもそうだよな。
どんな原理で手に入れてるのか解らないし、手に入れたらそれだけで強くなれるし。強くなるで言ったらレベルもそうだし。
「あー、考えても仕方ないか。戻って寝よう」
ファンタジー世界なんだから、これはこういうもんなんだ。




