魔法の使い方はこんな感じです
それから、何もない日が続いた。
なんかあったら困るけどね?
なんかあったといえば‥‥‥ギルドマスターのオッサン(グラスと言うらしい) が俺を執拗に勧誘してきた事ぐらいか。
俺は今のところ冒険者になるつもりはないので断ったら、登録だけでいいから‼と言われた。
冒険者って何だろうね。
まぁ、もしなんか売るときにギルドで申請しないといけないからその時用で良いかー。と気楽に登録したら、最初っからZランクだった。
この世界の冒険者ランクはA~Zまであり、Zランクは事実この世界には俺しかいないらしい。
騙された‼
「なんで最初っからZランクなんです!?」
「君ほどの者なら問題ないさ」
「問題はそこじゃない!」
「そう言われてもなぁ。ランク設定は私がする訳じゃないし」
え?じゃあ誰が?
「その人の魔力や力量を読み取って表示する仕組みなんだよ」
「え?じゃあこれどうにもなんないんですか?」
笑顔で肯定してくる。
「うっそおおぉぉぉ‥‥‥」
俺は、世界初の最高ランク冒険者になってしまった。
勿論、秘匿させた。が、いつ漏れるか‥‥‥。
と、いうことがあった。
それから、最近ソルトが俺と一緒に訓練をするようになった。
ソルトはドラゴンなだけに体力面も魔力も申し分ない。
が、魔方陣の構築がものすごく遅い。
「この計算式が‥‥‥」
魔方陣の構築は、計算を解いて行う。
その面倒臭さゆえに、戦闘では殆ど使われない。
が、俺はいつも魔方陣を作るようにしていた。
魔方陣は計算式が面倒臭いうえに、解くまで発動できないので罠として使われたりするものだ。
魔法には発動の仕方が幾つかある。
・無詠唱
・詠唱有り
・魔方陣
と、思われている。
俺はもうひとつ知っている。
・詠唱書写
だ。
これは、普通は詠唱をする魔法を字として空中や対象に書き付ける方法だ。
例えば、
「我の思いに応えて燃え盛る姿を今ここに顕現せよ、火球!」
という火球の呪文だが、これを空中に、
[我の思いに応えて燃え盛る姿を今ここに顕現せよ、火球]
と書くと本当に火球が発生する。発生させるときに少しはいるが、殆ど魔力を使わない上に、他のどの魔法使用方法よりも強い力が出る。
だが、これはその場に留まっていないと書けない上に、書いている時間ロスが大幅に出るので滅多に使わない。
詠唱書写は誰にも教えるつもりはない。
罠だらけの戦場なんて嫌だし。
「なんで詠唱がダメなんですか?」
「駄目って訳じゃないが‥‥‥この方法が一番魔力も要らないし、コントロールしやすいから」
「ううぅ‥‥‥判りません」
「まぁ、その内に早く出来るようになるさ」
そう言って俺は手の上に魔方陣を作りだす。
計算は一瞬で終わる。
それと同時に目の前の俺が作った岩に魔方陣を向けて打ち出す。
風の弾が岩にぶつかって岩が爆散した。
あれ、思ったより強かったな。
そんなこんなで、三年がたった。
時間進めるのが早いって?
いいじゃん。書くこと無かったんだから。
隼人は言葉をたどたどしく話せるようになった。
最近は近所の子と走り回っている。
どうでもいいが、最初に話した言葉は、「ご主人様」だった。
ソルトの真似をしたんだろうが、速攻でやめさせた。
子供にご主人様って言わせられないだろ‼
今は俺の事を極星とちゃんと呼んでくれる。
ソルトはソル兄だ。
なんでかは知らん。
俺の楽器演奏は周辺諸国に噂が広まり、広場でやってられなくなったのでどうしようかと悩んでいたら、ユーラさんがいい物件を教えてくれた。
今はそこをライブハウス的な感じにして俺が使わないときには人が集まれるカフェみたいなのにした。
カフェはなぜか知らんが近所の人が時間ができたら運営してくれた。
何でも、子供たちを遊ばせる場所が欲しかったらしく俺が運営を頼んだらボランティアにも拘らず二つ返事で了解してくれた。
ご近所ネットワークは構築されるの早いな。
ソルトは13才ぐらいになった。
近所のおばさんからはソル君って呼ばれてる。
ギルドマスターのグラスが何回かギルドに誘ってたけど尽く断られていた。
さて、そろそろ隼人に魔法を教える時期かな。
「きょくせい‼きょう、なにやる?」
「お前に魔法を教えようと思う」
「まほう‼」
「但し、幾つか約束しろ」
・人に自慢したりしないこと
・友達に絶対に使わないこと
・俺やソルトがいる場所以外ではやむを得ない事にならない限り使わないこと
「判ったか?」
「わかった‼」
よし。教えていくかな。
この子‥‥‥とんでもない子だった。
魔力量がガンガン増えていく。子供の時に鍛えると上がるけど‥‥‥此処までのものなのか?
この世界にはレベルがある。
俺の世界や日本にはない、レベルといった概念がある。
このレベルは当たり前だが高ければ高いほど強い。
ソルトは34レベル。
隼人は3レベル。
俺は‥‥‥不明。
普通は調べればわかったり、ステータスと唱えると判るんだが‥‥‥。
因みにこのステータス、見るだけでなにもできない。
しかも俺の総ての理のステータスよりも雑なので総ての理の超劣化バージョンみたいなものだ。
とりあえず言っておくと、鑑定で調べるとこの劣化版ステータスが適応される。
俺のステータスは全部不明。と記されているので怪しさ満載だ。
隼人は3レベルなんだが、これは結構異常だったりする。
普通の大人は大体5レベル。戦士だと精々いっても10レベルだ。
三歳とかそこらの子供が3レベなのは異常らしい。
まぁ、大丈夫だろ。
俺のレベルはこの世界でどの辺なのか知りたかったんだけど‥‥‥。
「やった‼できた‼」
隼人は1週間で水を生成することに成功した。
「おー。出来たな」
「うん!つぎは?」
「まだ火は危ないから、風かな」
俺は手の上に魔方陣を作り、微風を吹かせる。
「やりたいやりたい!」
それから何日か後。
グラスが家に来た。
迎えると、隼人を見て大層驚いた。隼人は水、風、光、火を出せるようになった。
「え?こんなに属性を‥‥‥?」
属性?
「属性って覚えれば誰にでも変えられますよね?」
「属性持ちじゃないと無理だ」
え?
「じゃあ隼人はたくさん属性が有るんですか?」
「前見たときは無属性だったが‥‥‥」
無属性なんて教えてないが‥‥‥。
隼人のステータスを見てみよう。
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・ハヤト・クラウン(3)
・人間(上貴種)
・精霊の加護
・無属性
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この世界のステータスだとこんな風に表示される。
名前とレベルと種族、加護と属性。
これだけしか表示されない。って言うか、上貴種っていうのが凄い気になるんだけど‥‥‥。
今はいいか。
「え?でも無属性一個しかないですよ?」
「鑑定持ち?」
あ、バレた。
どうせいつかバレると思ったからいいや。
「無属性一個で全属性扱えるんですか?」
「流したね‥‥‥無理だと思うよ。無属性は無属性だ」
何だろうな?
『お前の加護じゃね?』
精霊の加護ってやつ?
『それあると全属性扱えたりしたり?』
成る程。
「加護って関係有ります?」
「加護が有るのかね!?」
「無いんですか?」
「普通はないぞ」
無いんだ。しまったな‥‥‥。
適当に加護付けときゃいいやーって付けちゃったからな。
「で、加護があると扱えるんですか?」
「物によるな‥‥‥なんの加護だ?」
言っていいのかな‥‥‥。
「精霊の加護ですね」
「はぁ!?一番所得しにくいやつだぞ!?」
ええー‥‥‥。そうなんだ。
『精霊自体が中々人前に出ないからな』
あ、成る程。
「精霊の加護ならば‥‥‥全属性を扱えられる力は与えられると思うが」
おおー。それだったか。
「加護って響きはカッコいいけどつけるのは物凄い簡単なんだよな‥‥‥」
「なにか言ったかい?」
「独り言です」




