気づかない内に新しい能力が増えていました
なんかギルドマスターが驚いてるけどいいや。
俺は窓を開けて外を見る。
魔見眼を発動。
様々な魔力が入り交じっていろんな方向に風が回っている。
‥‥‥全体的に見れば右回りか。
俺は小さな竜巻を手の上に形成する。
これは左回りに動き、回転を緩めて周りの魔力を吸い上げる。
因みにこの竜巻は魔方陣で作り出した物だ。
周りの魔力を吸い上げたら結晶化し、こちらに戻ってくるように作ってある。
この竜巻自体はあくまでも回転を緩める物であり、嵐を壊すものではない‥‥‥筈だった。
形成された巨大な暗雲は魔力を大量に吸い上げられて、次第に雲が散っていく用に設計した‥‥‥つもりだった。
俺は、自分が進化していることを完全に忘れていたのだ。
普通に作り上げたらどうなるかシュミレートはしたが、本当に発動したことがなかったのでこのときは未だ気にしていなかった。
形成した竜巻をサイクロンに入れる。
ここでだんだんゆっくりに‥‥‥なる筈だったのが、俺の竜巻は高速回転をし始めた。
「‥‥‥あれ?」
高速回転をしている竜巻の中で魔石が生成されていく。
『あれだけの少ない魔力であんな大きい魔石が出来るのか?』
いや‥‥‥それは無い筈なんだが。
キュイイイイイ‼
そんな音がしたかと思ったら魔石が消えた。
と、同時にサイクロンも一瞬で蒸発して無くなった。
確実に、誰かがやりましたー‼みたいな消え方したぞ‼
「‥‥‥やべぇ。やっちゃった」
恐る恐る後ろを向くとギルドマスターが俺の方を物凄い期待の目で見てきた。
なんで?
と思ったら俺の手の中を見ているらしい。
手を開いてみると小さな真っ白に光る玉があった。
かなりの純度の魔石だ。俺なら量産できるけど。
「これが欲しいんですか?」
「い、良いのか?」
それを催促したくてこっち見てたんじゃねーの?
「絶対に俺の事を内緒にしてくれるなら構いません」
「も、勿論‼」
‥‥‥はぁ、まあいいか。
歩いて帰るとバレそうなので転移で帰った。
転移陣を張ったら驚いてたけどこっちが反応するのもそろそろ疲れてきたので無視しておく。
「ご主人様は本当に凄いのですね」
あのサイクロンが消滅したのを見ていたらしい。
「ぼくも、ああなれるよう頑張ります‼」
あー。うん。頑張って。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ぼくはドラゴンの中でも強い種族です。
ドラゴンには自然発生タイプと、卵生タイプがあります。
自然発生タイプはその名の通り、自然現象に近い形で勝手に発生する生まれ方で、卵生タイプはドラゴンが普通に卵を産む生まれ方です。
ぼくは自然発生タイプです。
卵生タイプより強くなる傾向にある種ですが‥‥‥
ぼくよりもずっとずっと強い人がいます。
ご主人様です。
巨大なサイクロンを一瞬で消滅させたのにも関わらず、魔力を切らさないほどの驚異的な力を持っています。
ぼくはご主人様は何者なのか、見当もつきません。
この前聞いてみたら、
「旅人その1」
と意味のわからない返答が返ってきました。
本名もわかりません。
ご主人様は極星と言えと仰っていましたが‥‥‥。
この前、ご主人様が工房で何かやっていたので覗いてみたら、左手で書類を確認しながら右手でナイフを作っていました。
もうめちゃくちゃだと思いました。
出来上がったナイフはこの世界の鍛冶師を集めて作らせたようなナイフに見えました。
それをみて、ご主人様は
「んー。34点」
等と言う出鱈目の数値を出してきました。
よく見てみると、マジックアイテムでした。
一体どれだけの価値があるナイフなのでしょうか。
それが34点って‥‥‥。
この世の人間や動物なんかが全員で一斉に襲いかかっても絶対に勝てないような相手だと感じました。
‥‥‥だからぼくは、この人を抜いて見せる‼
ーーーーーーーーーーーーーーー
ソルトがなんかやる気だしてるけど、放っといて良いか。
『お前に追い付くってさ』
是非追い付いてほしいね。
そうすれば模擬戦とかで力の使い方とか判るし。
仕事していたら、夜になってきた。
そろそろ風呂にはいるかなー。
もう最近ソルトが勝手に色々やってくれるので隼人の相手しなくていいし。
風呂にお湯を溜めていく。
ついでにタンクにも。
この世界には水道がないから、シャワーの上にタンクをつくってお湯を溜めておく。
コックを捻ればお湯が出てくる。
水は俺の魔力なので実にエコなお風呂だ。
体を洗ってからお湯に浸かる。
ついでに泳ごうかな‥‥‥あれ?
水のなかに入っても息が出来る。ついでに言えば目も痛くなったりしない。
水の抵抗とかを感じるだけで、後は空気中と同じ。
もしかして‥‥‥
俺は、総ての理(元々メニューだったやつ)を開く。
最近進化してから面倒臭くて確認してなかったスキル欄を開けてみる。
殆ど総ての能力が進化している。
水中で息が出来るのはスキル進化なのか‥‥‥?
いや、そんな能力は無い筈なんだが‥‥‥あった。
新しく追加されている。いつ!?
『俺も知らんかった』
え、じゃあ本当にいつかわかんないの?
『新しく覚醒したんじゃね?』
どうだろうか‥‥‥まぁいいや。確認してみよう。
スキル 水の能力者
・水の中で呼吸が出来る。また、対象と体の一部が触れていたら対象も呼吸可能。
・水の抵抗を一切感じずに行動可能。
・水の魔法、魔方陣強化。
・水の上を移動可能。
・水と完全同化可能。(時間に応じて魔力が必要)
水の能力者って‥‥‥そのまんまにも程があるだろ。
でも、スキル自体は結構有用だ。
今まで魔法でやっていたことが魔力なしで使えるのは大きなプラスになる。
水の上を移動可能って‥‥‥やってみよう。
一旦風呂からでて、スキルを発動。
水の上に足を乗せてみる。
お、乗れる。
お湯の上に乗っかっているので暖房床に乗っているみたいだ。
軽くジャンプしたりしてみたが、沈む感じは無い。
面白い能力を手にいれられたようだ。
「これって水中戦闘に向いてるかな?」
『さあな。水上戦闘には向いてると思うが』
だよな、浮力はあるんだし。




