21.修行の始まり
かくして、東京から離れ京都への旅が始まった。持っていくものは最小限に抑え、必要なものだけをスーツケースに詰めた。高校は病気を理由に休学し、彼女は新たな生活を始める決意を固めた。
占い師に言われた「龍禅寺」という寺にたどり着いた麗は、その静寂と荘厳な雰囲気に心を打たれた。寺の門をくぐると、僧侶たちが座禅を組んでいる姿が見えた。麗は深く息を吸い、ここで新たな自分を見つけることを誓った。
寺の住職である高僧と初めて対面した時、麗は緊張しながらも質問を投げかけた。「ここで、心の修行をさせてもらえますか?」
高僧は優しい眼差しで麗を見つめ、「もちろんだ。ただし、ここでの修行は厳しい。心の中を見つめ、静かに自分と向き合うことが求められる。覚悟はできているか?」
「はい、覚悟はできています。」麗は力強く答えた。
しかし、最初の数日間は麗は朝早く起きれなかったり、寺の掃除をおろそかにしたりして、高僧にたびたび叱られることになった。ある朝、掃除の時間に遅れてやっと庭に姿を現した麗に、高僧は厳しい表情で声をかけた。
「麗よ、掃除は寺の一日の始まりです。この時間はただの作業ではなく、心の浄化にも繋がる大切な修行なのだ。なぜ遅れたのか、考えてみて欲しい。」
麗は少し動揺しながらも「申し訳ありませんでした。」と頭を下げた。
高僧は深く息を吸い、その後、優しく言葉を続けた。「これからは、この時間を大切にし、心を清らかにしていくために努力してください。」
麗はその言葉を真剣に受け止め、その後の日々の修行で掃除を丁寧に行うように心がけるようになった。修行生活は続き、彼女の心は次第に強く、穏やかになっていった。
その後、麗の生活は、座禅と説法を中心に回っていくようになった。朝早くから座禅を組み、心を無にする訓練を続けた。最初は集中が難しく、雑念が次々と湧いてきたが、次第に心の中が静かになっていくのを感じた。




