表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/12

きおく

 山裾にある家で、茸を食べることは、なかった。帰るのは、夏と冬とだったから。春と秋との山を知らない。


 山から下りて来るのは一苦労。時間も掛かる。山の天気は変わり易い。

 山から下りて来た子どもたちが、雨具代わりに頭から羽負って来た着物を、乾かせてください、と言って。家先に、いくつもの着物を干したものだった、と、祖母が話してくれてたことがある。


 母と父と、祖母と祖父とが話をしている。何も聞けない。何も喋れない。同じ所に居た、のに。同じ所に居る、のに。雨が降り始める。雨の日の、あの堤防には、誰も居ない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ