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夏になる頃へ  作者: masaya
二章 from sky
90/112

19.5

「あれ?御崎ちゃんと尋は?」

無理やり唐突に雨谷によって連れ出されてしまった香織が空になっていたベッドを見て口を開く。あとから部屋に入ってきた紫穂、雨谷も部屋に入るなり二人が居なくなっていることが最初から分かっていたのか香織のように驚いてはいなかった。雨谷は不敵で満足そうな表情を浮かべ、紫穂はどこか浮かない表情であった。きょろきょろと香織は部屋を探し窓際まで行くとなにかを見つけたのにやけた表情を浮かべ雨谷、紫穂を手招きで呼ぶ。雨谷はすぐさま走り窓際まで小走りで向かい紫穂は歩き向かう。

「うおっ!二人で向き合って楽しそうに話をしているじゃあありませんか」

鼻息を荒くして雨谷が口を開く。その口調で全てを悟ったのか香織が呆れたような声色で、

「もしかしなくてもこうするために私たちを部屋から連れ出したの?」

「いやぁ!やっぱり俺らが居たらやっぱり言い出しづらいところもあるじゃん?」

「・・・なんか凄く微笑ましいね。御崎ちゃん尋と話してるとき凄く恥ずかしそうで幸せそう。初恋ってあんなのだったっけ・・・」

紫穂がぽつりと言葉を口にすると雨谷、香織もまた大きく頷き二人を見つめている。と、雨谷がご馳走様でした。なんて満足そうな表情を浮かべ近くにあった椅子へと座り忘れ物と言って買ってきたアイスをビニール袋から一つ取り出し食べ始める。香織もつられて視線を部屋へ戻し椅子へ座る。と、雨谷がアイスを食べながら口を尖らし少し悔しそうに

「なんか尋って生意気にも可愛くて性格が良い子ばかりにモテるよな!」

「そりゃあ、尋ちゃんカッコイイもん」

得意げに香織が間を置かず言うものだから雨谷は不満そうな表情を浮かべるもののすぐに微笑み、確かにね。なんて頷く。

「それにしても、紫穂は尋ちゃんのことが凄く心配なんだね」

香織の言葉にハッとしたのか勢いよく振り向くなり首を左右に振る。あまりにも早い速度に雨谷、香織は驚愕してしまい呆気にとられてしまう。

「ち、違うよ!私は別に尋がどうのこうのじゃあなくて御崎ちゃんが気になってただけだからね!香織が思ってるようなことは一切ないから!」

そう言うと速足で病室を後にする。残された二人は未だ思考回路が正常に動かないのか瞬きをしたまま固まっていた。しばらくすると冷静に固まっていた思考が動き始めたのか雨谷が香織の方へと視線を向け口を開く。

「ど、どうしちゃったんだろう・・・」

「わ、分かんない・・・いつもの感じで言ったんだけど・・・何か気に障るようなことを言っちゃったのかな・・・」

短くてごめんなさい。少しずつブランクを埋めていきたいと思いますのでもう少しお付き合いください。

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