228°
月日は流れていく。
そして俺は退院を迎えた。
なんといっても1ヶ月間もベッドの上から動けず、さらに並行してリハビリもしていたから、外の光が余計眩しく感じる。
「かなめくん」
退院して親が迎えにきてくれていたが、そこにもう一人追加されていた。
「あんずか。わざわざ出迎えてくれなくてもよかったのに」
どうせ近所だし、すぐに会うことができる。
それを知っていてもなお、俺はここであんずと出会えることが嬉しかった。
あんずは、あの魂が入れ替わった時から1週間くらいで退院できたらしく、もう学校にも戻っているらしい。
「ねえ、いつになったら学校にもどるの?」
「復学の予定は来週の月曜日からだけど」
「じゃあ、明日どこかいかない?」
ちょうど日曜日だ。
遠出はまだ無理でも、近所ぐらいならいいだろう。
運動とかはまだまだできずとも、歩いていくぐらいならできるはずだ。
「いいぞ」
「じゃあまた明日ね。私、またしないといけないことあるから」
たったかと言いたいことが言い終わると、あんずは病院の中へと入っていく。
とはいって何をするのかは聞かない。
俺も明日のことを考えながらも、親が運転してくれる車に乗り込んで、家へと戻った。




