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クジ引きで勇者に選ばれた村娘。後に女神となる。  作者: ふるか162号
四章 魔導大国編

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31話 五百年前の紙

久しぶりの更新です。


 ゆーちゃんの結界のおかげで安全に一夜を過ごした僕達は、今いる広間を調べる。


「この場所が最下層なのかなぁ。下に下りる階段はないね」


 周りをどれだけ探しても階段はないし……、でも、下から死の気配を感じるんだけど……。


「みつきさんも感じている通り、下から死の気配を感じるから、下層があるのは間違いないと思うのですが……」


 でも、下層に下りる階段はないし……。

 僕がキョロキョロしていると、よいやみが僕の肩に手を置く。


「みつきは何を捜しているっすか?」

「下に下りる階段だよ。下から死の気配を感じるから、間違いなく下の階層があると思うんだけど……、階段が見つからないんだよ」

「えぇ~。この先に進むのは嫌っすね……」


 本当に往生際が悪いなぁ……。

 あまりわがままばかり言っていると、いつきさんが怒っちゃうよ?


「じゃあ、よいやみだけここに残る? それとも、グールやスケルトンの群れの中を一人で帰る?」

「みつきの意地悪っす~」


 うわっ……。

 よいやみの奴……ガチ泣きだ……。

 まぁ、いいや。こいつは放っておいて……。

 

「いつきさん。死の気配を感じるという事は、この下に階層があって、死霊系の魔物はまだいるんだよね」


 でも、スケルトンやグールにしては死の気配が強すぎると思うんだけど……。


「うーん。あたしは死霊系の魔物が苦手っすから、色々と勉強をしたから思うんすけど、昨日の死霊系の魔物の量はおかしくなかったっすか?」

「そうですね。普通のリッチではないでしょうね」


 リッチ。

 そうか。やけに下位の死霊系の魔物が多いと思っていたけど、リッチがいたのなら、死霊系の魔物を呼び出す事のできるリッチがいたなら、この協力な死の気配も説明できる……か?

 いくら何でも……リッチにしては呼び出す数が多すぎるような気が……。


「リッチキングがいるかもしれないですね……」

「リッチキングっすか。厄介と言えば厄介っすね」


 リッチキングは死霊系の王種だ。

 確かにリッチキングならば、数万の死霊系の魔物を呼び出す事が可能かもしれない。


「いつきの神聖魔法で、この研究施設の死霊系の魔物を一気に消し去る事はできないっすか?」

「無理ですね。私の神聖魔法ではそこまでの威力はありませんし、範囲もそこまで広くありません。それにリッチキングならば、神聖魔法でも倒せないでしょう」

「そうっすか……」


 明らかに残念そうだなぁ……。

 よいやみとしては、下の階層にはいきたくないんだろうね……。

 ……でも。


「ねぇ、別にリッチキングが死霊系の魔物を呼び出しているとはいえ、所詮はスケルトンやグールだよね? そこまで脅威じゃないよね?」

「みつき……。それ、本気で言っているっすか?」


 ちょ……。顔が近いよ……。怖いよ。


「ご、ごめん……。でも、リッチキングを倒さないと、死霊系の魔物は消えないし……」


 うーん。

 下に下りる階段はないし……ここまでは別れ道もなかったし……。


「下りる階段がないのなら、もう帰るっす」


 ちょ……。

 こいつはまだそんな事を言っているのか?


 ガゴン!!


「え? 今の音は何!?」

「みつけた」


 え?

 見つけたって何?

 あ、ゆーちゃんの足元の床がめくれあがっている?

 さらに足下には……。

 

 下に下りる階段がある!?


「ゆーちゃん!」


 ポフッ。

 ゆーちゃんが僕に抱き着いてきた。頭をなでると、とても嬉しそうにしている。かわいいなぁ……。


「ゆづきちゃん、お手柄です。さぁ、下に下りましょう」

「え? 今日はここでお休みするっす」


 お休みって……。

 そんな事ばかり言ってると……。


「よいやみさん。早く行きますよ」

「うぅ……」


 笑顔のいつきさんに手を引かれて階段を下りて行っちゃった。僕もゆーちゃんと手をつないで階段を下りて行った。




「随分と長い階段だね。死の気配がさらに強くなっている」

「そうですね。この先にリッチキングがいるのでしょう」


 リッチキングか……。

 でも、本当にリッチキングなのかなぁ……。


 あ、下の階層が見えてきた。

 あれ?

 扉が一つだけある。


「リッチキングがいるにしてはちっぽけな扉だね……」


 王種なんだから、もう少し立派な部屋にいると思っていたんだけど……。


「入りましょう」

「いやっす」


 よいやみ……。

 この期に及んでまだそんな事を……。


「っ!?」


 や、ヤバイ。いつきさんの笑顔が……。


「ひぃ!?」


 よいやみも気づいたみたいだ……。

 もう抵抗は無駄だよ……。


「よいやみ?」

「もうヤケっす!!」


 よいやみは扉を粉砕した。相変わらずの馬鹿力だなぁ……。

 さて、部屋の中は……。


「アレ? 死霊系の魔物がたくさんいると思ったっすけど、随分と小奇麗な部屋っすね」


 確かに……。

 部屋の中には魔物は一匹もいず、四つの机に紙が散らばっているだけだった。

 僕は紙を拾い上げる。

 いつきさんも紙を拾い上げ「この紙は不思議ですね」と言い出した。


「紙が不思議?」


 別に魔力を発しているわけでもないし、普通の紙に見えるんだけど……。


「別に普通の紙だよね?」

「は? みつきは意味が分かってないんすか?」


 意味が分かる?

 何を言ってるんだろう?


 僕は紙をよく見る。

 なんだかよくわからない事が書いてある。当然、意味なんて分からない。


「これがどうしたの?」

「みつきさん。この部屋は五百年前のままなんですよ。つまり、この紙も五百年前のもの……」


 五百年前の?

 僕は紙を見る。

 あ、この紙、五百年も経っていると思えないほど綺麗だ。


「ここ、またいりくのけっかいがかかってる」

「魔大陸の?」

「ゆづきちゃん!! それです」

「どれ?」


 ゆーちゃんと僕はどれだろうとキョロキョロしていた。そんな僕達を見て、いつきさんとよいやみは呆れた顔をしていた。

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