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箱庭の入口。

大変大変お待たせいたしました。(もう忘れられているかも。)


『もーあんたもいい歳なんだから、誰かいないの、いい人ー』


受話器の先から聞こえてくる懐かしい声。


あの時はめんどくさくて、すぐに切ってしまったけれど。


『たまには帰ってきなさいね。どうせろくに食べてないんでしょう。』


外国にいるわけじゃないし、海外でもすぐに帰れる時代に。





遠くまで来てしまうなんて。




「……オ、リオウ!」


声に気づいて明るさに目を細める。


「…ウリセス…」声のした方向を見ると、今度は高校生くらいのウリセスがいる。これはこれで美味しい。陰鬱さがなくて、顔の甘さがさわやかだ。


本人には、もちろん言わないけれど。


光の領域に近づくにつれ、ウリセスの力も戻りつつあった。

「疲れたか?もうすぐだ。」深い森の。はっきり言って道でない道をかき分けてきたのだけど。崖の上には岩が一つ。いや、一つの大きな岩を小さな岩が支えている。そんな場所に出たのがついさっきのこと。


まるで、何かの儀式の場所のように。


「いくぞ。」若い顔がきりっとする。こんな時にもかっこいいとか、ふざけている。


ウリセスが岩に手をあてると、岩がゆがむ。そして、そこに新しい扉が誕生した。


『光の箱庭』


そう呼ばれる場所に来ていた。



まぶしい。まぶしくてどうしようかと思う。

水晶だ。


足下の道も、それを支える崖、そして少し遠くに見える多い茂る木々も。すべてが、薄いブルーがかったクリスタルでできているようだった。少なくとも、私にはそう見えた。


細くて落ちそうな道を歩いていくと、小さなトンネルがあって、それを抜けると。


「う、わ、あ。」


天井を覆うのは水晶だ。まるで切り子のように天高く輝いている。世界のすべての天井がそうなっているように見えた。そして、そこから地上と天井をつなぐ細長い支柱にところどころ螺旋が絡まって、煌めいている。


なんて、美しい。


「!リオウ」瞬間、私をかこむ半径3メートルの地面が燃え上がる。


「!」とっさにカウンターを展開するけれど、私を中心にした円が地面に焦げ後を残した。

(怖っ)


「人間。ここは貴様の来ていい場所ではない。戻れ。」頭上から声がしたと思ったら、目の前にキラキラが現れました。


そう、キラキラ。


金髪碧眼美人さん!登場!


ついに。出ました。ぼっきゅっぼーん、なナイスバディ。真っ白い肌に騎士のようなぴちっとした制服を着ている。フランスのお貴族様ーそれも男装の麗人、と言われればわかるかしら。

濃紺のビロードが美しく、金糸は遜色なく彼女を飾る。

レイヤーの入ったふわふわの髪は猫みたい。長い耳を飾るのは金色の輪。


「我等は用あってこちらへ来た。デウス=マミヤ=シンはどこに?」ウリセスがそう言うと女性は一度目を細め、

「水の眷属か。…人間は入れぬ。わかって…!?」女性がいうより早く頭に被っていたフードを取る。


「私は、六代目『黒の術師』リオ。アドイ・ナユからの書状を取り次ぎ願います。」

「『黒の術師』!」女性が目を見開き、手を剣にかけようとするが、それより先にウリセスがそれを止めた。

「!」

「これが、光の礼儀か?」ウリセスは女性に静かに問う。

「何!?」


「やめよ。」そこに一つの声が。


そしていつの間にか、突然精霊たちが周りを囲んでいた。いや、これは、光の精霊だけに光学迷彩になっていたんだろう。便利だ。いつかこういう術も開発ーーあ、もうされてた。(黒の書にあった。)


精霊の中からウリセスと同じくらいの存在感のあるものが出てきた。(存在感は、影とか個体を彩る色彩の強さによる。)


「『黒の術師』並びに、青の選定者ーとお見受けする。部下が失礼をした。私はイシス・エンラムド。光の領域へようこそ。王城へ案内する。」金髪碧眼、こちらは肩までのボブのストレートの髪、細おもての顔。他にもれず美形です。少し目が細めな中肉中背の男性。


イシスが語った「青の選定者」という言葉はよくわからなかったが、そう言われた瞬間から、彼を囲む数人が動揺したのがわかった。ウリセスの職業の内容だろうか?そういえば、私は彼の職務内容をほとんど知らない。ウリセスを見ると、ふっと笑い、


「では、よろしく頼む。」そう言って私の手を取るのだった。



私にも言えてないことがたくさんある。

異世界から来たこと。四代目とのこと。そして、炎の四日間のことーーーー


それらのことー特に最後の四日間については、初代にも話せない縛りがあって、彼らはとてもショックを受けた様子だった。制約は絶対。私が四代目とした取引はいずれ明るみに出るだろう。


その時に、まだ彼は私のことを想っていてくれるだろうか。それとも。


限られた時間の中で、彼でなくてはダメだという要素を増やしたいのかもしれない。

いや、単純に私が彼のことをもっと知りたいのだろう。そうであって欲しい。


今はただ、この手のぬくもりが、愛おしいと思う。


あと、少し。これからの旅はもっと、辛くなる。だから今だけはこのぬくもりを感じていたい。









エブリスタ様でも連載(そして内容多少直しております。)はじめました。(見直すために。)

どうにか完結させたいと思っております。

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