白の誓い ウリセス視点
失われるくらいならば、この手で_____
無意識に覚えたその感情が、暗く自らの奥底にたゆたうのを確認した。
闇はのまれるものではないが、常に表裏一体なのだ。自らの属性に含まれるそれを思い出し嗤う。
たぎる身体がどうにかなってしまいそうだった。
私の力など必要としていない、リオ。
いつも先を駆けていってしまう。
気づいていたが、避けられるのは辛かった。それすらリオの優しさだと知っているから、問わなかった。
けれど、月夜に現れた彼女を見て、まるで消えてしまいそうだと、
自らの腕に閉じ込めて安堵を得たかった。
そのぬくもりが、確かな物だと確かめたくて。
「…どうかしているな…」あのまま蹂躙できたとしても彼女の心が手に入るわけもない。
白く明けゆく空を見つめながらウリセスはため息をついた。
「どうか、している…」触れた感触だけは覚えていた。己の中にあれほどの欲があることに驚いた。
ただ、欲しいと思った。
この命を刻みたいと。
「愚か……」ぎり、と噛み締めた唇から流れるものすら、どうでもよかった。
「おはよー!アリッサーこれ、何かすごくないー?」
「いやぁーーーーん、リオ様ぁ、こ、こういう服もお似合いですね…!!」
いつものように繰り広げられる日常。
「あ、旦那様」
ひたり、と黒い瞳が私を射抜く。
「おはよーウリセス。よく眠れた?」
それが答えか。
「ああ。リオ、君は?」やわらかく返事すれば、その笑顔が一瞬消える。
「うん、ばっちり。ばっちりよー。さ、ご飯行こう〜」くるり、と背を向けるその顔がどんな表情をしているのか、わからないが。
もう二度と、昨夜のような愚行は犯すまい。
君をこの距離から、守る。
私が君にしてあげられることは、それだけしか無いのだ。
もとより、そのためだけの存在なのだから。
「だ、旦那、様?」
「何だ?」
「___いえ、私の気のせいのようです。」アリッサは優秀だ。
そうだな。私に同調した精霊の鳴き声など。リオには聞こえるはずも無いのだから。
聞こうとは、しないだろうから。
「行こうか。」私は歩き出した。手の届かない距離で、けれども、決して視界から外さずに。
い、痛い(涙)
いや、いや、これには色んな意味がね〜っ(早く本編続けたいです。)




