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おひさしぶりです。

痛みは思い出させてくれる。


私が、生きているということを。



「馬鹿じゃないの。どんだけ平和なの。平和ボケ?死にたいの?」


わかったから。今、叫ばないで。痛いから。響くから頭に!


「人間の分際で精霊をもて遊ぶとどうなるかわかった?」


だって仕方ないじゃない。他に思いつかなかったんだもの。

だいたい、翻弄されているのは、私!


「で?できたわけ?」


相変わらず、声だけは最高に美しいよね。できればこのまま、寝てしまいたいけど。




「できた。でーきーまーしーた。」杉崎璃桜、異世界63日目の朝。


水界に居ます。


目の前には、麗しのテオ様。(様をつけてみた。)


「はい、じゃぁ一旦帰りなさい。心配しているだろうから。」誰が、とは言わなかったが。


彼女の指す人物が誰であるかはよく知っていた。


あの戦いの後、月卿によって建て直された街は、傍流だかどこだかの王族を連れて来て、それはもう息つく間もなく入れ替え復興に向け回復しているはずだ。


問題は、私が酷かったということだ。


酸の雨はギリギリで解除することができたが、とにかく広範囲に渡り契約されており、宮殿の『黒の術』もろとも『灼く』必要があった。その時『初代モード』になった私が使ったのが『精霊術』で、はじめて広範囲に使用したため、今まで見えなかった『彼等』を感じることができるようになった。


とはいえ、喜んではいられない。


生まれて初めて聞いたのは、『水の精霊』たちの身を焼かれる断末魔だったのだから。


おかげで、マンドラゴラよろしく私の精神と身体は一時期ズタズタになって、あわや廃人まで行きかけた。


そこで思わずテオを喚んでしまったのは仕方のないことだろう。

私は彼女の真の名を知っていた。

水の精霊たちの叫びをシャットアウトして欲しかったから、自分でも都合が良いとは思ったが、彼女を喚んだ。


精霊を召還するのは初めてだったが、テオの場合、力があまり過ぎているのか、高位の精霊だからなのか、呼び出した瞬間に、私を外界から切り離し、他の精霊ーウリセスもだーをはじき飛ばした。


結局、彼女のおかげで私は助かっているのだけども。


一時的に隔離された空間で、今の今まで、精霊の力を制御し『声なき声』を『聞こえなく』するための特訓が始まったのだった。



はい説明終わり。


「何その顔。あのね、私たちはあんたとデキが違うんだから、心配しなくても平気よ。あのバカもね。」


テオは相変わらず、顔だけはいいけど中身がこんな感じで。

純粋に力の塊である高位の精霊がーテオたちが影響を受けていないはずはないのに、この差は何だろう。まぁでも、この世界の精霊すべてが活動する 音を聞いてしまったら誰でも発狂する し、テオが言うには個人個人で精霊の存在を認識できる範囲が違うのだそうだ。

私はまがりなりにも『黒の術師』だから、広範囲ーつまり、国内全域くらいは軽く聞こえるらしい。聞こうと思えば。ただ、精霊声自体には特徴が無い。小さなノイズが集まって大音量で聞かされるようなものだ。その内容を知るためにはものすごい集中力と、処理能力が必要になるため、精霊術師たちでも精霊個体の声を識別できる者は少ないとか。



「うん。その前に、寄らなくちゃいけない所がある。」




「え?留守なの?」

ウリセス、アリッサと合流した後、レジールの屋敷まで来た。


とりあえず、あれから狂戦士的おぢさんと、銀髪魔術師もどきには襲われていない。


家人に聞けば、復興の手伝いでかり出されているという。

レジールは確かに鈴木桐子さんの血統ではあったけれど、ここではしがない下級の役人らしく、今回のことでいくつかの領地を兼任することにもなり、入れ違いになったのだった。


何のおもてなしもできませんが、という家人に引き止められ、今夜はこちらで休ませていただくことになった。


水界からの帰還もあり、疲れていたのでその言葉に甘えた。

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