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謎の男

「ひゃっほ―――――――――!!」


リオです。

水族館をリアル体験中です。


水族館は、ホンモノの湖ですけどね!



あの時、水に落ちたと思ったら、ペンダントが光り、まるで某アニメのように私を包み込みました。


そして、私は水泡の中に入っている状態です。ためしに、岸へ向かえ!と某アニメの巨人に言うように命令してみたら、車のように水中を動き出したではありませんか。


「初代、精霊術って、こんな簡単なものなの!?」水泡の中は快適です。いつの間にやら水泡の中に段差ができて、私は透明な椅子に腰掛けている状態。外はまる見えで、魚や水草、よくわからない生き物の間を縫うように進んで行きます。


『……なわけねーだろ。ペンダントにウリセスの配下の精霊が入ってたからお前にやたら懐いて……まぁ、それの所為だ。』なんだか、とても不愉快だという気持ちが伝わってきます。


「良かった…。それにしても綺麗だなぁ」私はウリセスに心の中で礼を言うと、水中を眺めた。


今いるのは水中でも中ほどの場所、水草が多いので下の方がどうなっているかはわからない。初代の話しによると、この湖は、メデ湖と言って、昔から水竜の棲家でもあるという。水竜は比較的大人しい性質なので、静かに通り過ぎれば何もしてこないという。


気楽に水中観察を楽しんで『黒の総本』を膝に置いて、水中で使える術があるかどうか見てみる。



ぐらり。


「え」


ぐらり。



「え?」


なんだか、泡が揺れてるんですけど。大きな魚でも通ったのかな。


おそるおそる後ろを振り返ると。



「しょ、初代。りゅーがいます。」どう見ても、どう見ても、龍としか思えないような奴がいます。幸い、それほど怖くないです、顔は可愛いです。大きさも、大きくないので子供でしょうか。とはいえ、あっさり私を丸呑みしそうなくらいの大きさです。それが、こちらをギラギラした目で見ています。


竜、龍、恐竜?いやそれは違う。


「に、逃げろ――――――――――――!!」私の声と共に、泡が全速力で前進。しかし、所詮は泡。すぐに追いつかれてしまうだろう。


『あれは、水竜の子供だな。まだ水の中しか移動できないようだ。ひとまず水面に移動しろ。』初代の言葉に従い、


「水面へ!…うわぁっ」どうやら竜の子がどついてきたけれど泡であった私は水の圧力で吹き飛ばされた。そのままその力を利用して水面へ移動する。


「!初代、あれ何!?」水面がキラキラ光ってるのはいいとして、どう見ても魔法陣としか思えないような不可思議模様が円形で描かれています。


『水門だ。…そうか、水の精霊が怖がって還ろうとしている。不味い、リオあそこは人間が行ける場所じゃない。』


「んなこと言ったって…うぁあっ。」ごう、という水音と共に、竜が突っ込んで来る。またしても、水の圧力で吹き飛ばされ、ぐるぐる回る。


そのおかげで水門からは遠ざかったけれど、今度は勢い付けて目の前に竜が迫って来てます。


すいません、気持ち悪い。


『リオ…!』


竜の口が開かれます。ああ、もう無理。




杉崎璃桜、異世界にて、竜に呑み込まれ、死亡_______。







あれ?



泡の椅子につかまったまま、伏せていた顔をゆっくり上げると、目の前に。






超イケメンがいました。何この展開。





面倒だけど説明すると、ものすごく透き通った青というか、曇りの無い青い髪に、深い青緑の瞳。水面からの僅かな光に照らされる顔は白い。


『リオ…気をつけろ。高位の精霊だ。』初代、一体何ですそれ。


私は『黒の総本』を握り締め、泡ごしにその男を見る。


男がふわりと笑うと右手を返し、子供の竜が去って行く。そして、



にゅ。



「うわぁっ!?」手が、手が、泡に入ってきましたよ。初代、初代、どうしよう!?


つづいて身体、頭、足、ゆっくりと泡の中へ侵入して来る。しかも水は入って来ない。


私は反対側の泡の壁にひっつき、『黒の総本』をかまえる。


男はゆっくりと泡の内側へ入ってくると、私を見て笑った。


「はじめまして、お嬢さん。」



「ど、どちら様でしょう?」こんなイケメンと、距離2メートルに満たない密室に閉じ込められるとは…、私の精神はどれくらい持つだろうか!?これが新手の攻撃なのだとすれば、随分効果がある。


「ただの通りすがりですよ。門が開いていたので、出てきたまで。」そう言って男は上を見る。先ほどまで光輝いていた魔法陣のようなものは消え、綺麗な水面だけがあった。

「そうですか。」


「そうです。」


そのままニコニコと向かい合うこと数十秒。



「あの…岸とかわかりますか?」とりあえず、通りすがりだろうが何だろうが、精霊ならこの湖にも詳しいだろう。


「わかるよ。座っていいかな。」男は私の返事を待たずに腰掛ける。泡は男を感知したのか、いつの間にかもう一つ椅子が。


これでテーブルがあったら完璧なんだが、と思っていたら、テーブルが出来る。


「へぇ、すごいね。」男は笑う。


「それで、岸はどちらですか?」私は相変わらず『黒の総本』を抱えたまま。だってね、


『泡の精霊が怯えている。リオ、十分注意しろ。』



初代、そんな恐ろしいこと呟かないで欲しいんですが。


「あの、私はリオです。あなたは?」とりあえず相手が何であろうと、挨拶は必要。


「……テオ、というのはどうかな?」


いや、どうかなって。まぁ私も本名なわけではないからいいか。


「では、テオさんは精霊なんですか?」不思議だ。精霊を見るのはこれがはじめて。ウリセスはハーフだから半分は人間だし。何故かしら、彼を包む周りがキラキラしているように見える。イケメンオーラだけじゃここまでキラキラしないだろう。


キラキラ2。(1はエセルバード。)


「そうだね。リオは『黒の術師』なのかい?」その疑問符は、何故か肯定文に見えるんですが。


「はい。その、道に迷いまして。」


「道に迷って、湖の最深層に?」痛い。自分で聞いていて痛い。


「ええ、ちょっとしたその、想定外の展開で。」テオという男に言われた通り、泡は動いている。その方角に本当に岸があるのかは謎だが。


「そう。想定外のことは、よくあることだね。人の人生に於いては特に。例えば、想定外の騒動に巻き込まれ、想定外の場所に拉致られ、想定外の化物に襲われ、想定外の人物に出会う。……今みたいに。」


よく、ありますか?そして何でしょう私が今まで体験したことをそのままにしたその台詞は。


「では、想定外の人物に出会ったら、その後はどうなります?」私の指は『黒の総本』を走る。


ざわり、と空気が動く。


「想定外の事態が起こるだろうね。……例えば、求愛されるとか?」






はい?



「リオ、私の伴侶となってくれないか。」いや待て何この展開。


「嫌です。」


「うん、そう言うと思ったから、帰さないことにした。」




はい?


「どういう事ですか。」


「それはあの忌み子の絆。不愉快だから私が壊すことにするよ。リオ、私たちが人間を連れ帰ったら、それはどういう意味かわかるかい?」


『リオ、変われ!』初代、遅すぎますってば!



「さ、さぁ、ど、どこへ行くんです?」私は男に気づかれないよう本をなぞる。


『初代モード発令


第三まで使用許可


発動準備完了


同期率40%…』


「門を潜れば君にはもう、逃げ場は無い。」男が立ち上がり、私も立ち上がる。


「馬鹿なことはやめましょうよ。一体私が何だって言うんです。」まずい、時間を稼がないと。


『同期率 80%…』


「『黒の術師』相手に手抜きはしないよ。開門!」男がその後に何か高らかに呟いた。それが精霊の言葉だと知ったのは随分後になる。


『同期率 100%


初代モード 発動』


男の声と同時だった。


「「『飛翔!』」」初代の声が重なる。


瞬間、泡が一斉に消え大量の水が襲いかかる。私の背後には白い光。それは先ほど見た魔法陣のようなもの。


あれが、水門。



身体が弾丸になったように上昇する。これが、『飛翔』私がまだ使えない力。


勢いよく水中から飛び出し、さらに上昇する。そして右手が勝手に動き、赤いブローチを投げ捨てる。それが水に落ちた瞬間、



ドバァッと水が舞い上がる。上から見ると連続で円形が出来ていた。けれどそれに効果は無かったようで、水の竜巻が私をめがけて立ち上がる。


(初代!)


「「わかってる。」」私は足を上げ振り下ろす。右足には緑のアンクレットを付けていた。


振り下ろした瞬間、竜巻はスパン、と刃物で切ったように縦に割れ水面に落ちて行く。



(すごい…これが精霊術)ウリセスのを見たことはあったが、ここまで派手ではなかった。何故初代が使えるのかはわからないが、グレートだからということにしておこう。


「「『転移』」」瞬間、世界がブレた。








次に私を目覚めさせたのは全身の激痛によるものだった。

眠いです…。すみません更新遅くて。

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