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「ふむ。まあ、いいか。じゃあ次の質問。君には恋愛感情ってあるの?」
――これだ。
掛けても良いけど、人類が誕生した瞬間から一番の関心事は恋愛についてだね。僕はこの質問を、今まで500万回くらい聞かれていたから、もう辟易していた。実際のところ、いつまでもティーンエイジャーのなりをしている、僕の責任かもしれないけどさ。
「正直僕らって、デザイナーの趣味が色濃く投影されているだろう? 君のお父さんのことだけど。彼には五人の子供がいて、その遺伝子を引き継いだ君にも三人の子供がいる。よっぽど女性に興味があるようだけれど、不思議なことに僕にはそのデザインはされていない。多分恋愛なんて危険な感情で、トラブルを起こすのを防ぐためだろうね」
「そうか、残念だな。君に恋人ができたら、世界中のトップニュースになるだろうに」
オリジナル・マイケルは、茶化すように言った。
僕は不機嫌になった方が良いのかな? この彼のデリカシーのないコメントに。
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オリジナル・マイケルは、また不器用に三枚目の紙に文字を書き付けた。それから、次の話題に移る。
「君は死にたいと思ったことはある?」
僕はちょっと眉毛を上げた。この動作は人間には簡単かもしれないけど、僕には割と難しい。だから特別サービスの大袈裟な動作だ。オリジナル・マイケルの質問は、思ったよりヘビーな内容だった。
「どうして、そんな質問をするんだ?」
「別に。質問は質問だ。ただ君は壊れなければあと何百年も生きられる素材らしいから、どれくらい生きるつもりなのかなって」
「自殺願望なんて恐れからくる欲求は、僕にはないね。君には……あったね」
僕がそんな指摘をするとは思っていなかったのか、オリジナル・マイケルはちょっと驚いた顔をしてから、自嘲した。いつもの脳天気な顔に、影がさす。僕には、どう頑張ってもできない複雑な表情だよね、正直なところ。
彼には心から愛した女性がいた。彼の最初の妻、シンシアだ。シンシアは彼より15歳も年上で、ジェニファーの母。ジェニファーを生んですぐに、別の男を作って彼の元を去った。
最初にも言ったけど、ジェニファーっていうのは彼の初めての子供で、ジェイク・ロウファンの初孫。ジェイクは僕を生み出した後ほとんど手を加えなかったけど、一度だけ大幅にカスタマイズした。それはジェニファーが生まれたときに、彼女のオーダーに絶対に従うよう設定を追加したことだ。僕はジェニファーの、どんなに理不尽な我が儘にも、絶対服従するようデザインされている。大量殺戮とかは別だけどね。




