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【15000PV突破】元勇者、転生聖女として俺を召喚し異世界救います。~惚れた大聖女に転生していました。中身は元勇者のおっさんですTS~  作者: 奏楽雅


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第60話:ファンタジー世界ではない

グレースは横に座った俺に縋り付いてきた。

「ぐぇ」

俺にしがみついていた番犬のシャルごと抱きしめている。無意識に身体強化してないか?シャルの我が儘ボディがボディが。


ブッ…

惺が鼻血を出してしまった。


「グレースさん?」


「ステラ殿、ステラ殿」


「お、おい!銀髪皇女離れろ!」

迅が叫ぶが何も出来ない。


「ステラさん何事ですか?」

コーチが止まったかと思うと氷河流が扉を開けて入ってきた。その目に飛び込むシャルの我が儘(略)


――空間に血の橋が掛けられた。


***


「ステラ!あなた席替えして何がしたかったの!」


マリアのお説教である。

(俺のせい?)


「申し訳ありません

私です私が悪かったんです

ステラ殿は悪くありません

ああ、あああ

お姉様に怒られる」


「えと、グレースさん、落ち着いてお話しいただけますか?」


グレースは一つ頷いた。


木陰で横になっているシャルと氷河流以外が、グレースに耳を傾ける。


「実は帝国の勇者の一人、ござる殿が魔族に囚われてしまったのです」


「と」俺

「ら」マリア

「わ」煌

「れ」迅

「た」惺

「?」紫


「ま、ま、誠であるかグレース殿」

マリアが、グレースの肩をワシッと掴む。

(マリア口調が…)


グレースは小さく頷いた。


「あああああぁぁぁぁぁ」

マリアが残響を残して崩れ落ちた。


「だからだから急いでたのにー」

マリアの耐えていたものが決壊したようで、初めて見せる姿だった。

優秀だし責任感が強いマリアも15歳だものな。


「く、詳しくお聞きしても?」

俺は話を促す。


「ええ、ええ

ラフィール王国の大使館に行ったの

その時に聞いてビックリしたわ

私に良くしてくれた勇者が

魔族に捕まって

行方不明だって

連れ去られちゃった」


(喋りが早いって)


まあ、二人のうちの一人が捕まって行方不明と…


「もう一人の勇者は?」


「怪我をして

お姉様と一緒に

本国に戻ったって

お姉様がついてたのに

なんてこと、なんてこと」


(帝国勇者壊滅)


「あああああぁぁぁぁぁ」

(マリア…)

俺はそっとマリアの頭を抱く。


「連れ去られた勇者の行方とか、状況は分かりませんか?」


「帝国内の街に

魔物と魔族が進行してきたらしいわ

その撃退のために勇者が出たらしいの

英雄もかなり参戦したけど

だけど魔物の数が多くて

撤退を余儀なくされて

殿を務めた勇者が…」


「捕まったと…」


戦地に行くしかないか…


でも、何日かかるんだ。


「マリア」

俺はマリアの頭を撫でながら問う。


「囚われた勇者の捜索か、帝国に残った勇者に会うのと、どちらを優先すべきか決めよう」


マリアは俺を押して離れると…


「急いで残った勇者に会いましょう」


力強くそう言った。


***


方針は決まった。


だけど、遠いんだなこれが。


異世界と言ってもファンタジー世界ではない。飛空艇とか、転移ポータルとかある世界なら良いんだけど…

残念ながら、そんな便利なものは存在しないんだ。


でもなーハングライダーと魔法使えば、飛べそうなんだよなー……


まあ、今は無いので、無いものねだりはしません。


では、どうするか。


「ステラ。船が出るわよ早く乗船して!」


(この世界にもある帆船を使います)


近隣の港街まで移動、領主にお願いしてコーチは王都に戻して貰らい、ここからは船を使って行く事にした。馬車を使っていたのは旅の途中で、勇者を鍛える目的があったからだ。


しかし、事ここに至ってそれどころではなくなった。


単純に考えて、船を使えば馬車の3〜5倍の速度、一日の移動距離で考えると10倍にもなる。

10日が1日になるんだ。


ラフィール王国は領土が広い、全陸地の10パーセントとも言われている。


だが、船を使えば帝国迄一週間でつける計算だ。


しかも、快速のフリゲート艦を用意して貰った。


俺は、タラップを昇りデッキに足を降ろす。


純白の船で、艦首には美しい女神のような像が祈を捧げている。


「艦首の像は、ステラがモデルらしいわよ」

(そ、そうなの?)


「いざ行かん、見知らぬ大地を求めて」


お読みいただき有難う御座います。

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