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悪霊令嬢 あくりょうれいじょう ~とんでもないモノに憑りつかれている私は、そのまま異世界に転生してしまいました~  作者: にわとりぶらま


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第077話 セクレタさんとの再会

異世界転生100 第58話あたりの時間軸です

 本棚の後ろから白い人影…いや鳥影がこちらを凝視している。


「レイチェルちゃん? レイチェルちゃんよね?」


 その鳥影が私の名を呼ぶ。


「はい、レイチェルですよ。どうしたのですか?セクレタさん」


 白い鳥影は私の家庭教師だった鳥人のセクレタさんであった。しかし、セクレタさんは以前の接し方ではなく、なんというか、中学生時代の友人が、高校に上がって不良デビューをして話しかけづらいみたいな様子だ。


「私は私ですよ、セクレタさん、何も変わっていません」


「ほ、ホント? 本当にレイチェルちゃんなの?」


 あっ…セクレタさんのこの様子… セクレタさんは『見える』人なんだ…でも、実家での家庭教師時代はそんな素振りを見せなかったのに、どうして? もしかして、初めてのマルティナの事件の時に、一気に『アイツ』の気配が吹き出したのだろうか…


「本当にレイチェルですよ、セクレタさん。それよりも、セクレタさんって…『見える』のですか?」


 セクレタさんは私の言葉にはっとする。


「本当にレイチェルちゃんなのね…以前はそんなに黒々とはしていなかったのに…」


 やっぱり、見えていたのか…


「はっ!もしかして!」


 セクレタさんは何か思いついたように声を上げ、私に駆け寄ってくる。


「レイチェルちゃん! 何か思い詰めていることがあったら、私に言ってね! 一人でかかえこんだりしちゃだめよ!」


 セクレタさんは何か勘違いをしているようだ。その言い方ではまるで、私が自殺でもしようと…あぁ、なるほど、セクレタさんが何を勘違いしているのか分かった。


「セクレタさん、大丈夫ですよ。私は自殺したりしませんよ」


「でも、どうして… 私が家庭教師をしていた時にも黒いものは多少見えたけど、ここまで大きくはなかったわ、でも、今はびっくりするほど大きい…だから、また…」


 セクレタさんはそこまでで言葉を詰まらせる。私はどこまでセクレタさんに説明するのかを悩んだが、セクレタさんには恩義があるので出来る限り説明をする事を決めた。


「セクレタさんが見えているものは、私の負の感情から出ている物ではなく、私に憑りつく存在のものです。その存在は私が死んでもついてくる存在なので、私はその事で死のうとは思いませんよ」


 ここは書店の中なので、皆まで言う事はできないが、セクレタさんであれば、この言葉である程度は察してくれるはず。


「死んでもついてくる存在って…やはり、レイチェルちゃんは転生者だったの?」


 セクレタさんはそこまで見抜いていたのか…


「えぇ…そうです。セクレタさんと出会った時にはもうそうでしたよ…」


 私はセクレタさんに転生者であることで嫌われない為にも、出会った最初の時から転生者であった事を告げる。


「もしかして、転生者であることを気にしていたの? だったら、そんなの気にしなくていいわよ、だって、今、私はその転生者が100人もいる所で務めているのだから」


「えっ!? 転生者が100人も!?」


 私も衝撃的な事実を伝えたつもりであったが、セクレタさんの方が衝撃的な言葉であった。


「そうよ、レイチェルちゃんの所の家庭教師が終わった後、前に家庭教師をしていた娘さんのお母さんが亡くなって、その子が一人ぼっちになったから助けに行ったのだけれど、そのに100人の転生者が現れたのよ」


 百人って、また凄い数の転生者が… ディーバ先生が言っていた通りに、転生者は珍しい存在ではないんだ…まぁ、だからこそ、こんなに日本の少女漫画が並んでいる訳であるが…


「セクレタさんが今、ここにいるという事は、そこは近くなのですか?」


「いいえ、レグリアス地方ツール郡のセネガって辺境の領地よ。マールちゃんっていって、貴方の一つ先輩にあたる人物よ」


 レグリアスというと、ディーバ先生の実家の方か…ツール郡と言えば確かに遠い。


「でも、学園の寄宿舎でマールさんという方は、お見かけしませんでしたが?」


「あぁ、マールちゃんはお母さんが亡くなって領主の地位を引き継いだから、学園を退学して、今は領主の仕事をしているのよ。私はそのお手伝いをしているわ」


 セクレタさんを従える程の人物となれば、そのマールさんという方は、歴史でいう所のエリザベス女王や、エカテリーナ女王並みの相当の才女なのであろう。その方の母上に不幸が無ければ、今頃、お近づきになって力を貸してもらえたであろうか…


「それで、今日はそんな遠い場所から帝都に何の御用があったのですか?」


「そうそう、転移魔法陣を設置することになったから、そのこちら側の候補地を捜しに来たのよ」


「えぇ!凄いじゃないですか!かなりお金がかかるのでしょ?」


「いえ、お金はそんなにかからないのよ、領地で自力開発をしたから」


 なおさら凄い。依頼して設置するには侯爵家ぐらいの財力は必要だし、そもそも転移魔法陣の技術はミーシャ嬢のラビタート家の独占技術だったはずだ。それを自力開発するとは、やはり、マールという御方は物凄い人物であるようだ。


 お金はかからないとセクレタさんは言ったが、研究開発にはお金がかかる。今までのセクレタさんの話から想像するに、そのマールと言う方は、私の一つ上のでありながら、かなりの財力を持ち、転移魔法を可能にする技術力、そして、セクレタさんや転生者100人を配下に収める人心掌握力など、かなりの才女あると思われる。


 これは今のうちに、人脈を作っておいた方が良いのではないだろうか。でもどうやって作ろう? そう言えば、転移魔法陣を設置する候補地を捜しているとセクレタさんは仰っていた。


「セクレタさん、転移魔法陣を設置する場所を捜しておられるのですよね」


「そうよ、レイチェルちゃん、どこか心当たりでもあるの?」


「それなら、私の実家はどうでしょう?あの庭園跡が空いてますから。帝都まで馬車で2時間ほどですし」


 あの庭園跡とは、リーフの元の樹木があった場所である。リーフの木が切り倒された後、その庭園一体が閉鎖されて手を付けていない状態になっている。


「あぁ、あの場所ね、広さ的にも帝都からの距離も十分な場所ね」


「私の家にとっても、レグリアス地方からの交易の通過点になるので、利点はあります。だから、父も承諾すると思いますが、私からも父に連絡しておきますので」


 父もあの土地を遊ばせておくぐらいなら承諾するであろう。


「私の一存ですぐに決める事ができないから候補地の一つということになるけどいいの?」


 セクレタさんほどの人物が決定権を持たずに、指示を仰ぐとは、やはり、マールと言う御方はかなりの人物だ。


「はい、私も父に承諾を得ているわけではないので、父と商談をした上で、そのマールという御方とお決めください。寄宿舎に戻ったら父に連絡しておきますので」


「分かったわ、レイチェルちゃん、ありがとう。明日にでもステーブ卿の所へお伺いしてみるわ」


 その後、上機嫌のセクレタさんは、自分の買い物を済ませて書店を去って行った。私もその姿を見送ると寄宿舎へと戻った。


「あっ…本を買い忘れたわ…」


 本を買い忘れたのに気が付いたのは自室に戻ってからだった。



連絡先 ツイッター にわとりぶらま @silky_ukokkei


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同一世界観の作品

異世界転生100(セクレタさんが出てくる話)

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はらつい・孕ませましたがなにか?(上泉信綱が出てくる話)

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もご愛読頂ければ幸いです。

※はらついの次回は現在プロット作成中です。


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