6話
連続投稿です。
よろしくお願いします。
サクラが薬と催眠で調教している間、サキは何もしていなかったわけではない。
サクラは気づいていなかったが、途中からはサキが逆に催眠をかけていいたため逆にサクラが催眠状態に陥っていたのだ。
この部屋にも盗聴器やカメラがないことは確認済みであるためサクラから情報を引き出そうと逆に催眠をかけたのだった。
催眠状態に入ったサクラは自分ではいつも通り催眠をかけているつもりでいるが、殆ど自我がない状態だった。
横に居たちよは既にサクラの催眠に入っており数十分は起きそうになかった。
「この間に色々教えてもらおうかな」
催眠状態のサクラへ教団について問いかけるとサクラは素直に話し始めた。
曰く、教団には国内の孤児や優秀な子供を拉致し催眠で調教して仲間に取り入れている。
曰く、教団は優秀な研究員も保有しており、その頭脳で動物の遺伝子を組み換えキメラ等を作っている。そして最後に衝撃的な情報を聞き出す。
曰く、゛異世界から人間を召喚する事に成功している゛。
「異世界?」
サキは更に異世界についてサクラに問いかける。
事の発端は教団の狂信者が異世界があると突然言い出したことから始まったらしい。
その人物は、根拠はないが突然脳内に異世界の存在、異世界から人間を呼び出せる方法が頭に流れ込んできたらしい。
その人物の立場は教団の重心的存在だったため皆も叱咤することもできず、渋々話を聞いていた。
狂信者は異世界の人間は魔法が使えるためその力を使えば教団の大きな力になるだろうと話していたそうだ。
しかし一方で男は怯えていたという。教団の調教師とカウンセラーであるサクラには相談をしに来ており、自分は誰かに操られているかもしれない。自分が気づくと見覚えのない場所にいたり、教団のメンバーに見覚えのない指示を出していたり。だんだん怖くなって自分がどうなるのかわからないとサクラに助けを求めていたという。
そんなある日、異世界から新たな家族を召喚すると豪語し皆をとある部屋に招集したそうだ。
男の指示した部屋へ向かうと、薄暗い部屋の中アニメや漫画でしか見たことのない幾何学模様が床に書いてあったらしい。
そしてその周りには足元が照らされる程度のろうそくが置いてあり、皆その枠の外でこれから起こることを見守っていた。
少し時間が経ち男が模様の真ん中へ行くと自らの腕を何のためらいもなく鋭利な刃物で切り落とした。
明らかに異常である。
女性の団員は「ヒッ」と小さな悲鳴をあげたが、周りの団員はそれでも男を見守っていた。
男の腕からは赤い血が流れ出ており出血死するのではないかというほど流れ血溜まりが出来た頃それは起こった。
なんと地面にたれた血が模様をなぞって動き始めたのだ。
やがて完全に模様が血に染まったとき眩い光を発すると男は呟いたという。
「ジーアス様万歳!……皆じーあす様を崇め教団を拡大せよ……」
その言葉を最後に男は倒れ救護室に送られたが間に合わず死んだそうだ。
そしてこの教団の筆頭をジーアスと名乗る人間がする事になり、周りの皆もジーアスを崇めたという。
そして教団の筆頭であるジーアスとは異世界人ということになる。
信じがたい話しではあるが、催眠状態では虚言を履くことができない状態だ。つまり嘘をつくことができない。
もしなんらかの手段で嘘をついたとしてもサキに嘘は通じない。つまりそれが真実であると否応でも認めなければならなかった。
召喚されたジーアスはとてつもない美人で、まるでテレビから飛び出してきたようなそんな印象を受けたという。
そして第一声は「私のために死んでくれたこの男に感謝を。そしてこれからは私がこの教団を大きくしてやろう」普通ならそんな自体受け入れられるわけがないのだが、なぜか皆心のそこからジーアスを崇めるようになった。
異聞も含めそれを不思議に思うものはいなかったという。
つまり異世界から召喚され、なんらかの手段で教団のメンバー全員を手中に収めるような人物だということ。
後はサキが掴んでいた情報通り、変な生き物を作ったり人をさらって調教したりを繰り返していたそうだ。
サクラの話はそこでおわった。
サキは催眠状態の二人をその場に寝かせると、サクラから聞き出したジーアスのいる部屋の前までやってきた。
教団の筆頭がジーアスならそいつを殺してこの村ごと地図から消せばいいか……。
任務の大まかな流れを決めたサキは行動を始める。
このまま遅れを取り戻したいです。
皆様これからも応援よろしくお願いします。また誤字脱字の指摘などもよろしくお願いします。