1.俺に何が起こったのか聞きたい?
まずはアヤカにさせられていた、アヤト君の番外編です。
直接的な描写はないですが、タケルに洗脳されてホモォな展開になってしまうので、苦手な方はご注意ください。
あの日俺は彼女のユカと一緒に歩道を歩いていただけだった。ただそれだけなのに――暴走車が突っ込んできて、気が付いたら異世界に勇者として召喚されていた。そして、一緒に召喚されたホモ野郎に目をつけられて洗脳されてメス堕ちさせられた。
何を言っているか分からないと思うけれど、それは事実だ。俺自身理解しがたい出来事だったので、未だにあれは悪夢だったと思いたい。
もう少し詳しい説明が欲しいって? ……分かった。思い出すのはツライけれど、R18にならないように気をつけながら話をするとしよう。
◆◇◆
俺と彼女のユカは歩道を歩いていたところ、暴走車が突っ込んできた。ユカが俺を庇って車に一撃を入れたのはうっすら覚えているけれど、結局俺たちは車に轢かれた。ユカが一撃入れた車はコントロールを失い、塀に激突して爆発炎上していたように思う。
俺は死んだかと思った。
しかし気が付くと、俺は変な魔方陣やら祭壇やらがある場所に召喚されていた。ユカも一緒だった。他にも強烈なオカマや、20代半ばに優男がいた。
俺たち四人に向かって、中世ヨーロッパの王様を思わせる服装の男性が言った。
「おお、勇者よ! 私はそなたたちを召喚したギベオン王国の王だ。どうか我々に力を貸して欲しい。我々は魔族の脅威に晒されている、どうか魔族を討ち果たし人間に平穏をもたらして欲しい」
魔族? 召喚? 勇者? 俺の脳内は大混乱だった。そして思い当たったのは、『異世界転生』とか『異世界転移』の言葉。
一緒に召喚された優男も同じことを思ったようで、嬉しそうに「人生やり直せる」とか言っている。
正直言って俺はただの18歳の人間だ。ひょろっこい見た目で、口下手のコミュ障。話すとついつい間延びした頭の悪い口調になってしまう。そんな非力な俺に魔族を倒せなんて無茶ぶりもいいところだ。
ユカと一緒ならとも思うけれど、可愛い彼女を危険に晒らすような真似はしたくない。できれば元の世界に返して欲しい。
「あのぉー、俺たちにー、魔族を倒して欲しいとは、難しいなぁと思います。ただのー人間ですし……」
俺はコミュ障ながらもそんな無茶ぶりには耐えられないと、王様に言った。
「それならば心配いらぬ、そなたたちには女神さまから強力な3つのスキルが与えられた。司祭よ、彼らにスキルが書かれた紙を見せて差し上げよ」
「かしこまりました、陛下」
そう言って司祭さんは俺たちに紙を配布した。
俺が貰った紙にはスキルの詳細が書かれていた。
◆◇◆
『ネクロマンサー』→人間モンスター問わず、死体を操ることが出来ます。損傷が激しいと操ることは難しくなりますが、死体を修繕することで多少は強度を上げることが可能になります。死体は生前の感情を色濃く反映した行動をとりがちなので、しっかりと命令を与えて行動を制御することがポイントです。
『修繕(高)』→様々なものを修復することが出来ます。あくまでの修復ですので、回復させられるわけではありません。
『感覚遮断(極)』→様々な感覚を麻痺させることが出来ます。自分にも他人にも使用可能です。例えば兵士に“痛覚&恐怖心遮断”を使えば、痛みや恐怖を感じない最強兵士が出来上がります。
※効力はスキルレベルMAXの場合です。スキルレベルが低いうちは、そこまで強い効力は持ちません。積極的にスキルを使用して練度をあげたり、自身の鍛錬によってスキルとの親和性をアップさせることでより強くスキルの効果を発揮することが出来ます。
◆◇◆
悪くないスキルだ。俺自身が戦うのではない、死体に戦わせるのだ。だけど死体なんて気持ちが悪い。嬉しくないスキルだ。
俺はユカのスキルが気になって、彼女に声をかけようとした。
しかしその時、突然優男に腕を掴まれた。
「君は俺のタイプだ、早速スキル“洗脳”の性能を試させてもらうよ」
「え?」
次の瞬間、俺は肉体と精神とが切り離されたような状態に陥った。俺の意思とは関係なく、勝手に体が動く。
一体何が起こったんだ?