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シークレット・ブラッド  作者: うさぎさん⭐︎
第2章 ミッドナイト・ブラッド

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32/42

4 決戦前


 

 奇跡的に、聖気にやられる前に、若木を見つける。

「やりましたね、これで、あの者の持つ<結界封じのポップコーン>の力を使用できますね!」

「うん。わ……」

 相変わらずグールの姿で、ポップコーンを宙に浮かせた若木が、

 緩慢にこちらを振りかえる。

 その肩が気まずげに跳ねる。

「な……」

 若木はなぜか、メガネをかけていた。

「なんで、メガ……って、まさかそれ、ねーちゃんの?」

 牙は全てを理解した。妙に勘が冴えていた。

 まるで、好きな子のリコーダーを舐める小学生のように、若木は美紅のメガネをかけていた。

「あー……僕、昔クラスの《《男子》》に同じようなことされて、トラウマなのに。

 若木おまぇなあ!」

  

 若木と合流した牙。

 先に進むと、通路が狭くなってきた。

「ここまでですね、聖魔様」

「うん、ありがとう」

 グリフォンが去っていく。

「……あ。聖魔ってなにかって、詳しく聞き忘れてた」


 奥に進んでいく。

 この先に、銀次が……?

 と2人が固唾を飲んだ矢先、

「あれ? 牙」

 なぜか、白いミニのチャイナ服を着た美紅がいた。ご丁寧に、左右の髪をおだんごにしている。

「グググ〜♡」

 若木がうるさい。

「なんだよ、ねーちゃん、その露出路全開な服! 

 まさか、銀次に変なことされたんじゃ……」

「ググ? グググググ!!!」

 やっぱり、うるさい。

「まさか。あんなお子様よ?

 暇だから、コスプレ遊びしてたのよ♡」

「はい? てか、なんで、こんな女物の服がたくさん?」

「さ〜? ぎんちゃんの趣味じゃない?」

 ハンガーラックに、ところ狭しと、服が掛けられていた。

 看護服だったり、警察官の服だったり、セーラー服だったり、ブレザーだだったり、ファミレスの店員の服だったり……。

「本当は脱走したいけど、いま銀次の魔法で聖気ダメージ無効化してるけど、逃げると、モロそれ食らうっていわれて」

「それなら、大丈夫! ねーちゃんもこの<結界破りのポップコーン>っを」

「ハ?! ポップコーン⁈」

 美紅の声が固くなる。あからさまに、機嫌が悪い。

「実は親父が……」

「ナニ⁈ ポップコーンの話なんて聞きたくない!」

「?? ねーちゃん、銀次は?」

「ぎんちゃん? 寝てるわよ。本当よく寝る子ね。まだ本調子じゃないとかなんとか」

「ぎんちゃん?? あ、そうだ、かーちゃんから」

「三角巾? なにこれ?」

「わかんない」

 美紅は託された三角巾を巻いた。意外に似合っている。

 若木からは、メガネを受け取る。

「ぎんちゃんを倒すなら、眠ってる今がチャンスかも!」


 とそこに、

「聖魔様〜‼︎」

 いきなり壁が外側から破壊され、メスゴリラ━━プリティイエティーが出現する。

「隠し通路の最奥でお待しておりましたのに、全く一向にいらっしゃらない。このままでは、出番の危機と、やってまいりました〜⭐︎」

 もふもふに抱きつかれて、牙が身じろぎする。

「な、なに?」


「聖人・銀次との最終決戦、わたくしもお供しますわ!」






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