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四章 エピローグ 森へ行こうよ

すまないシンリー、どうにか登場させようと話数を伸ばして足掻いたんだが、結局間に合わなかった。このタイミングで次の章に行くのが1番キリがいいんだ。

話数調整の出来ない作者を恨んでくれ……。

 手早く出発の準備を整えた俺達は、タマクモの正門を抜け現在森の前までやって来ている。要所要所で色々なことがあった影響でここまで来るのに結構時間が掛かってしまったが、それでもこうして目的地の目の前まで辿り着けたのだ。ここまで来れば、友との再会も時間の問題だろう。


「アカリ君、本当に完治するまで待たなくてよかったのかい?」

「問題ないよ、俺の知り合いは治癒に関しては超一流で、右に出る者は居ないからな。こんな傷一瞬で治してくれるはずさ」


 プラチウムはまだ完治していない俺の傷を心配してきたが、シンリーは魔人の中でも唯一治癒能力を持っている。彼女に掛かればこの程度の傷など無いも同然なのだ。


「あれ?そう言えば今更気づいたんだけどさ、ドロシーはどうしたんだ?あいつ今プラチウムの警護してるんだろ」

「ああ、ドロシー君には遠出は面倒臭いから残ってると言われてしまってね。今回の旅には同行していないんだよ」

「何だそりゃ、あいつらしいいい加減具合だな……」


 今更だがプラチウムの配下にはドロシーが居たことを思い出し尋ねてみたのだが、どうやら今回は面倒くさがって来ていないらしい。

 確かにあいつは、そういうことをやりかねない性格してるからな。プラチウムも厄介な奴を配下に招き入れたものだ。


「それに昔の仲間に会うのが嫌だとも言っていたな。その時だけは珍しく本当に嫌そうな顔をしていたよ。彼女があそこまで感情を出すというのも珍しかった」

「なるほど、あいつもシンリーを避けたって訳か」


 ドロシーも他の魔人同様、シンリーに会うことを拒んだらしい。シンリーは怒ったら怖いから、全員なるべく近寄りたく無いのだろう。特に、俺が復活してから初めて会うこの機会だけは。

 これは俺も相応の覚悟をして挑んだ方がいいのかも知れない。


「よし、この森には妙な噂が蔓延ってるんだ。全員これまで以上に気合を入れていくぞ!」


 プラチウムから話を聞いてより一層警戒心を高めた俺は、いよいよ森の中へ第一歩を踏み入れた。かつての仲間である最後の魔人との再会は近い。







 と、そう思っていたのだが、そんな少し浮かれ気味の俺の気持ちは森に入ってしばらくすると簡単に打ち砕かれたのだった。俺達の進行を妨害して来た、何者かによって。


「不法侵入者達よ、速やかにこの森から立ち去りなさい」

「なっ!う、嘘だろ、こいつらのあの見た目は……!」

「さもなくば、森の怒りがあなた達に苦痛と恐怖をもたらすこととなります」


 俺達の目の前に現れたその者達の外見は、非常に見覚えのあるものであった。すぐに森から立ち去れとか色々言ってきているが、そんな言葉は今の俺には届かない。それ程までに、衝撃を与える格好だったのだから。


「あの体に生えた半透明の魔石……こいつら、人型の魔物か。何でこんな所にいやがるんだ……!」


 そう、その者達は全員体の一部に魔石を生やした、あの人型の魔物と同等の存在だったのだから。宿敵と同じ存在を前にして、動揺を抑えることなど出来ようはずもない。

 友に会いに来たはずが、まさかの敵との再会に思わず額から嫌な汗が流れ落ちる。よもやこんな所で出会ってしまうとは、本当に運命の試練には果てがないと実感した。












 ――













 アカリ達一行が森に入って少しした頃、森内部にひっそりと存在する隠れ村では、侵入者に対する警戒が強まっていた。


「シンリー様、森への侵入者が現れました」

「またー?どうせ迷いの効果があるんだから無視して平気でしょ」

「いえ、それが今回の侵入者はシンリー様の森の影響を受けていない様で、真っ直ぐ私達の村を目指しております」


 森に入って来る大概の者は、シンリーが展開する結界によって森を彷徨い最終的には森の出口へと導かれる。結界内は薄らとした霧で覆われている為視界も悪く、運の悪い者は森の中で遭遇した魔物に襲われ、帰らぬ人となることもあった。

 そういった事情があるからこそ、街の人間は不用意に森へは近づこうとしないのだが、配下からの報告で珍しく森の結界に惑わされない存在が現れたのだ。


「へぇ……なら久しぶりに実践訓練と行きましょう。警告してそれでも出て行かなかったら、戦闘も許可するわ。最近は魔物相手にしか練習出来なかったから、ちょうどいい機会だし人相手にあなた達の強さが通用するのかしっかり試してきておいでね」

「承知致しました。シンリー様のご期待に必ずや応えてみせます」


 報告に参った側近は、シンリーからの指示を受けるとすぐにそれを村民らに伝達する為邁進する。

 シンリーの行っている研究は倫理観を逸脱したものが多い為、可能な限り部外者にその内容を知られてはいけなかった。だから大切な情報を守る為に、時折現れる結界を抜けてくる人間に対しては武力をもって抗うのだ。


「お待たせしました大隊長、すぐに部隊を用意して下さい」

「おやおや、随分な剣幕ですね。その様子だと戦闘の許可は得られたと見ていいですかな?」

「はい、結界が通用しない侵入者に警告しそれでも出て行かないようであれば、森の威光を知らしめろとのことです」

「威光とは恐ろしい限りですね。では早速何部隊か見繕いましょう」


 シンリーからの指示を受けた側近は、森を守る保安隊の大隊長にその内容を共有する。

 戦闘が専門の部隊を率いる大隊長は、戦いとは無縁のような穏やかな性格を持っていた。だがそれでも、戦闘力の高さと統率力でその地位にまで上り詰めた実力は本物である。

 大隊長は側近から指示を受けると、すぐさま部隊を用意して侵入者の迎撃に向かわせるのだった。


「はてさて、今回はどれくらい耐えた抜きますかな」

「相手はシンリー様が直々に鍛え上げた保安隊です。長くはもちませんよ」

「確かに、魔人様を前に人間の力など無に等しいですからね。考えるだけ無駄でしたか」


 侵入者の迎撃に向かった保安隊を見送りながら、側近と大隊長はそんな会話を繰り広げた。そこに自身らの勝利を疑う思考は一切存在せず、ひたすらに己の主を強く信じるのみである。

 こうして森の勢力と侵入者、すなわちアカリ達は戦う為に出会ってしまうのだった。


四章までの灯のステータス


竜胆 (アカリ・リーシャン)


戦闘力:トイブラスターに追加されたアタッチメントを付けることによって『トイブラスターショート』となり、近接での魔弾威力が格段に飛躍している。射程は短くなったがその分一発一発の重さが増している為、近接での戦闘を得意とするアカリとは非常に相性の良い武器となった。


精神力:人型の魔物メルトとの一戦に影響され、より貪欲に強さを追求していくこととなる。ただし自分の気に入らない人間には悪態をついたりと、まだまだ小さい心は目立っていた。特に推薦組のニールとは相性が最悪である。


所持金

1152万ポット:区長救出を初めとした、様々な高難易度ミッションをクリアしたことにより、膨大な額を手に入れている。ショートを開発した際の費用も既に引かれている為、人生で一番稼いでいる時期に突入した。


所持魔道具

・トイブラスター…アカリ専用の魔道兵器。自身の魔力を弾にする為、弾薬を補充する必要が無い。引き金を引き続けることでビームを放てる。

・トイブラスター用アタッチメント「ショート」…魔弾を近距離で拡散させる威力重視の追加装備。銃口に付けることでトイブラスターの威力を上げるが、その分射程が十分の一に減衰するのが弱点。


・モンスターボックス…魔獣を入れて置ける特殊な檻。

・モンスターリング…魔獣の居場所を知ることが出来る指輪。

・モンスターピアス…魔獣の話す言葉の意味が分かるようになる耳飾り。

・モンスターガントレット…魔獣と融合出来る小手。

・マジックストレージ…魔力を保存しておける筒。現在はほとんど魔力を無くしている。


現在の仲間

・クウ(ディメンションドラゴン。伝説の竜)


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