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しーにゃん先輩とデート ⑦


二階にある【ふにゃ猫】専門店【ふにゃ猫の里】。看板は横向きにダランとしたふにゃ猫の形をしており、遠目からでも直ぐに分かるようになっていた。俺と、しーにゃん先輩は店へと足を踏み入れると、小さな子供連れの母親や女子小学生から女子大学生等が、あらゆる【ふにゃ猫】グッズの虜になっている光景が視界一面に入ってきた。かく言う、しーにゃん先輩は隣で早く見に行きたいと言わんばかりにウズウズしながら、俺の服の裾を引っ張っている。好きなようにすればいいというのにと俺は苦笑する。


「早速、見て回りましょうか。しーにゃん先輩」


そう声をかけると、元々キラキラ輝いていた瞳を更にキラキラさせて首を何度も縦に振った。なんていうか、今の先輩の姿は昔の甘えん坊な妹華の様でついつい頭を撫でたくなってしまう。


「とりあえず最初は、新発売された文具コーナーの方へ行きましょう」


「そ、そうだな!早く行かないと私の【ふにゃ猫】が売り切れてしまう!! ほら行くぞ!ケータ!!」


しーにゃん先輩はそう言って、早足で文具コーナーへと向かう。その道中に、何度も他のグッズに惹き付けられたりもしていたが、おやつを我慢する子どもの様に必死に耐えながら、何とか文具コーナーに辿り着く。



「おい!ケータ!! この【ふにゃ猫】の筆記用具入れ可愛くないか?!」


そう言って、俺に突き出してきたのは、ふにゃんとした三毛猫の筆記用具入れ。どうやら、背中にジッパーが着いており、そこから出し入れする構造らしい。確かに可愛い。


「このシャーペンもこの消しゴムもハサミもどれもこれも可愛すぎないか?! 全部買いたいのにお金がぁあああ!!」


しーにゃん先輩は色んな新グッズを手に取っては、キラキラした瞳で小さな子供のように口早に可愛いを連呼している。ただ、次の瞬間には、金銭的にキツいらしく自身の髪をわしゃわしゃと掻き乱す。 その姿に俺は苦笑した後、ひとつ提案する。


「しーにゃん先輩。足りない分は俺が払いましょうか?」


「ほ、本当か?! …いや、でも…今回はお前へのご褒美として来てるわけで…与える側が与えられるのはなぁ…ぐぬぬ」


一瞬、瞳をキラキラさせて俺の顔を見た、しーにゃん先輩だったが、直ぐにそれはダメだと頭を悩ませる。


「じゃあ、これは今回のご褒美デートのお礼ってことにすればいいですよね?」


葛藤中の、しーにゃん先輩に俺は先程とは違う提案を投げかける。その言葉に暫し考え込んだ後、


「うーん。今回のお礼、っか。そ、それなら、仕方ないな!うんうん!せっかくお前がお礼してくれるってんだから、せ、先輩として無下にするのは可哀想だもんな!」


頬を赤くして瞳をキラキラさせたまま、しーにゃん先輩は仕方ないなぁっていう姿勢を装いながら口早に言い訳を並べる。その姿に俺は微笑ましく思いながら、


「えぇ、無下にされたら悲しいですからね。後輩の気持ちを汲み取ってくれてありがとうございます。しーにゃん先輩」


そうお礼を言って、【ふにゃ猫】の新グッズ全てをカゴに入れて、レジへと向かった。


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