しーにゃん先輩とデート ⑥
「ふぅ…もうおなかいっぱい」
「ほら、水でも飲め」
「ありがとうございます、しーにゃん先輩」
俺は、しーにゃん先輩から水の入った紙コップを受け取り、ゆっくりと飲む。既に、しーにゃん先輩は食事を終えて、俺が食べ終わるのを待っていてくれた。苺香との会話時間がなければもう少し早く食べ終わることも出来たが、流石に、しーにゃん先輩を待たせといて、他の女の子と話してたなんて口が裂けても言えない。
「んー、このあとどうする?」
しーにゃん先輩はスマホで時間を確認した後、俺に尋ねてくる。
「あー、そうですねえ。時間的にまだ余裕っぽいですし、とりあえずブラブラします? あ、それか先輩は今買いたいもんとかあります?あるなら、それ買いに行きましょうよ」
俺もスマホで時間を確認する。 まだ17時ということで余裕だ。
「今買いたいものか…。そうだなぁ、最近、ふにゃ猫シリーズの文具に新しいのが来たからそれかなぁ…。いや、でも、お前も楽しめないとダメだしなぁ」
しーにゃん先輩が言葉にした【ふにゃ猫】というのは、名前の通り、ふにゃふにゃしたアニメ調の猫のことだ。種類は沢山あり、オマケに女の子に大人気なシリーズ。グッズは多種多様。文具もあれば服、家具などにも展開されている。
「ふにゃ猫の文具ですか?俺も結構好きなんですよね。あのふにゃふにゃした気の抜けた感じが愛くるしくてたまんないっす」
「おぉ、わかってんじゃねえか! そうなんだよ!あの気抜いた感じのダラしない表情が可愛んだよなぁ」
「じゃあ、次の目的地は決まりましたね。俺ももう動けるんで、早速行きましょう」
じゅうぶん休めたので俺は最後に紙コップに残っている水を飲みきって席を立つ。しーにゃん先輩も空の紙コップを手に立ち上がり、一緒に紙コップを捨てに行く。
「さて、確か【ふにゃ猫】専門の店は2階だったな」
しーにゃん先輩は数時間前に見た案内板の地図を頭の中に思い浮かべて告げる。俺は一応とスマホで調べてみると、確かに2階にあった。
「えぇ、2階ですね。【ふにゃ猫】の新文具となれば、すぐ売れきれちゃいますし、急ぎましょう」
俺は手をしーにゃん先輩へと差し出す。その手を暫く凝視した後、しーにゃん先輩は少し頬を紅くさせて、
「こ、今回だけだからな」
ギュッと力強くしっかりと握った。ちなみに俺は無意識に手を出した事と、しーにゃん先輩の手の温もりが合わさって、数分後にめちゃくちゃ恥ずかしくなったのは言うまでもない。




