しーにゃん先輩とデート ⑤
しーにゃん先輩が料理を手に戻ってきた後、俺の方も受信機が鳴り、料理を取りに向かう。顔はまだ少し赤いままの気もするが単なる勘違いだと誤魔化しておく。
「さっさと取りに行こっと」
俺は少し足早に料理を注文した店に向かう。そんな道中に、
「あれ? ケー先輩じゃん。んな所でなにやってんの?」
ふと横から声をかけられる。俺はその声のした方に視線を移すと、そこには見覚えのある女子生徒がいた。
二つのイチゴを角みたいに生やしたような髪型に、海色の瞳に童顔。慈愛学院指定のスカートがかなり短く改造されており、白シャツの上から3個くらいボタンが外されている。大人しめというより派手目な感じの格好をした彼女。
「そういう苺香はまた懲りずにナンパ待ちでもしてんのか?」
俺は、雲川 苺香にそう言葉を返す。彼女は普段から男にナンパされては遊んだりしているイケイケJKだ。何回か危ない目にあったりしたこともあり、何度か助けたことはあるが、未だに染み付いた癖はそうそう簡単には治らないらしい。しかし、
「にゃははは~♪ やっだなぁ~、ケー先輩♪ 苺香だってそこまで暇じゃないっすよ~」
飲み物を片手に否定した。
「って事は、もうあんなことしてないってことで良いのか?」
「えぇ、そりゃー。何度もケー先輩にしっぽりと搾られましたからねえ~。流石の苺香もギブアップっすよ~」
「その言い方だと多方面から俺が蜂の巣にされかねないんだが?」
わざとらしく頬を赤くして自身の体を抱く苺香の大変誤解を招く発言に俺はジト目を向ける。
「いやいや~、あんなに激しいことしといて、なにいってんすか~」
「激しくって…注意しただけだろ。勝手に話を語弊されやすいように捏造するな」
「にゃははは~♪ 後輩の可愛いお茶目くらい許してくださいよ~」
苺香は反省皆無といった感じで笑う。俺は『はぁ…』とため息をつく。そしてそのタイミングで、
「苺香ちゃ~ん! 遅れてごめ~ん!」
典型的なゆるふわ系女子っぽい女子生徒がトタトタと走りながら、苺香に手を振る。どうやら、待ち合わせをしていたようだ。
「んじゃ、俺はそろそろお暇させてもらうよ」
「ほいほ~い。 あ、そうだ。近いうちに一緒に遊びましょうね、先輩♪」
「へいへい、近いうちな」
俺は適当に苺香に返事をした後、しーにゃん先輩の元に戻ると、
「…お前、飯はどうしたんだ?」
「……あ」
料理を受け取るのを完全に忘れており、慌てて注文していた店まで駆け足で向かい、店員に何度もペコペコと謝った後、料理の載ったおぼんを手に再度、しーにゃん先輩の元へと戻った。




