一
○紫藍町・街並
古めかしい家々が並ぶ、地方都市の街並。
夏祭りのせいか、人通りは多い。
賑やかな街並に流れる、祭囃子。
街中に掲示されてる、「紫藍祭」と書かれた、ポスターや看板。
街並の外れにある一軒家、御蔵家。
その二階の窓に佇み、祭に賑わう街並を見下ろしている、御蔵明日実(19)。
明日実、モノローグ(M)を始める。
明日実(M)「僕が生まれ育った紫藍町では、八月七日……紫藍祭という夏祭が催される」
晴れ渡る、紫藍町の空。
○青空とタイトル
紫藍町の上空、晴れ渡る空。
明日実(M)「八月七日が終わる夜中まで続く、紫藍祭が終わるまでは、紫藍町の何処にいても、祭囃子を耳にする事が出来る。紫藍囃子という名の祭囃子を」
夏の青空に、「祭囃子が終わるまで」というタイトルが、重なる様に表示され、消える。
○御蔵家・明日実の部屋・室内
御蔵家の二階にある、古びた和室。
窓際に佇み、窓の外を眺める明日実。
明日実(M)「賑やかではあるが、何処か物悲しさを感じさせる、この祭囃子の音色を耳にするのは、二年振りだ」
窓の外に見える、通りを行き交う楽しげな人々を眺める、明日実。
明日実(M)「昨年の八月七日、僕は一つ年上の恋人……今日子と共に、泊りがけで海に遊びに行っていたので、紫藍町には戻らなかったのだ」
襖が開き、御蔵五月(44)が入って来る。
五月「(手にした浴衣を広げながら)浴衣、この柄でいいかしら?」
明日実「(戸惑いつつ)え? あ……いや、この格好のままでいいんですけど、僕は」
明日実、ジーンズにカッターシャツという服装。
五月「駄目駄目! 紫藍祭は、紫藍染の浴衣を着て楽しむのが、この町の仕来りなの、知ってるでしょう?」
浴衣を明日実に、突き出す五月。
五月「この紫藍染のお陰で、栄え続けて来たからこそ、この町は紫藍町と呼ばれる様になったんです。紫藍祭では、この紫藍染の浴衣を着て、紫藍町で生まれ育った者の心意気を示さないと、駄目じゃないですか!」
明日実(M)「五月叔母さんの言う通り、表向き……紫藍町の名の由来は、町の名産品である、やや紫がかった色合いが特色といえる藍染……紫藍染だと言われている」
五月「――さ、着せてあげますから、服を脱いで」
明日実「(照れて)自分で着れますよ!」
五月「(楽しそうに)恥ずかしがる事無いでしょ。明日実さんの裸なんて、叔母さん今までだって、散々見てるんだから」
明日実のカッターシャツのボタンに手をかけ、脱がしにかかる五月。
五月「前は叔母さんがオムツ替えたり、お風呂に入れてあげたりしてたんだし」
明日実「子供の頃の話じゃないですか、そんなの! もう一人で暮らしてる大学生なんですよ、僕は!」
五月「大学生になったって、叔母さんから見れば、明日実さんは子供みたいなものなんだから、家に戻って来た時くらいは、子ども扱いされなさい」
五月、有無を言わさず明日実のカッターシャツを脱がす。
五月「(楽しそうに)次は……」
五月、明日実のジーンズに手を伸ばす。
明日実「(溜息を吐いてから)分かりました、自分で脱ぎますから」
五月「あら、それはそれで残念」
自分でジーンズを脱ぎ始める、明日実。
五月「明日実さんに浴衣着せるの、二年振りよね。去年は紫藍祭の日、こっちに戻って来なかったから」
明日実(M)「実を言えば去年、僕は今日子を紫藍祭に誘ったのだが、断られたのだ。断った理由を尋ねた僕に、今日子は不思議な答えを返した」
× × ×
喫茶店シャガールの店内(回想)。
テーブルを挟んで、向かい合わせに座っている、明日実(18)と佐野今日子(19)。
今日子「子供の頃から、母さんに言われてるのよ。紫藍町は縁起が悪いから、絶対に近付いちゃ駄目だって」
明日実「縁起が悪いって……何だよ、それ?」
納得が行かないという感じの表情を浮かべ、頬杖をつく明日実。
今日子「(手を合わせて謝りながら)ごめん、でも駄目なんだ。遊びに行くなら、何処か別の所にしようよ」
明日実「別の所って?」
泳ぐ今日子の目線。
今日子の目に映る、喫茶店内に掲示されている、海水浴場のポスター。
今日子「――夏なんだし、海とかどう?」
今日子の目線を追い、明日実も海水浴場のポスターに目をやる。
明日実「結構、遠いし……日帰りだと、余り遊べないよな。(悪戯っぽく)泊りがけでいいなら、いいけど」
今日子「(はにかみながら)――いいよ、泊りがけでも」
明日実「(驚いて)え?」
恥ずかしそうに顔を見合わせる、初心な明日実と今日子。
× × ×
現在の明日実の部屋。
ジーンズを脱ぎ、トランクス一枚になっている明日実。
明日実「去年は、泊りがけで海に遊びに行っていたんで、戻って来れなかったんですよ、紫藍祭の日に……」
遠い目をしている、明日実。
明日実(M)「まだ僕が幼い頃、両親は離婚した。離婚の後、母親とは昨年の秋に再会するまで、会う事も無く、母と共に家を出た姉も、僕にとっては昨年まで、名前すら忘れていた様な存在であった」
五月、明日実に浴衣を手渡す。
明日実(M)「そんな僕にとって、父の妹である五月叔母さんは、母親同様の存在だ」
五月に手渡された浴衣を羽織り、袖に腕を通してみる明日実。
明日実(M)「大学に通い始めた昨年の春、紫藍町から電車で一時間程かかる、大学の近くに借りたマンションで、僕が一人暮らしを始めるまでは、父と五月叔母さん……そして僕の三人で、この家で一緒に暮らしていた」
五月、手際良く浴衣の衿を合わせ、帯を締め、明日実に浴衣を着せ終える。
五月「(明日実を見ながら)サイズとか、大丈夫? 小さくない?」
頷く、明日実。
五月「(目を細めて)その浴衣着てると、お父さんみたいね。明日実さんは、お父さん似だから」
五月、箪笥の上に置いてある写真立てに、目線を移す。
明日実が着ているのと、同じ柄の浴衣を着ている御蔵雅之(77)が、写真立ての写真に写っている。
雅之の顔立ち、何処と無く明日実に似ている。
明日実(M)「五月叔母さんの言うお父さんとは、僕の祖父……御蔵雅之の事だ」
五月「――御免なさい。皺だらけのお爺ちゃんに似てるとか言われたら、嫌よね。明日実さんは、まだ若いんだから」
明日実「そんな事無いですよ。僕も似てると思いますから、爺ちゃんと僕は……」
写真の雅之を、意味有り気な目で眺める明日実。
明日実(M)「似ているのは、見た目だけじゃない。紫藍祭に行く理由も、僕と祖父は似ているのだが、その理由は五月叔母さんには言えない」
雅之の写真が、クローズアップされる。
明日実(M)「――女の人には、話してはいけない事なのだと、祖父に固く口止めされているからだ」
○同・外観(回想)
十年前の御蔵家。現在と同程度に古びている、それなりに大きな屋敷。
写真と同じ年齢の雅之(77)と、子供時代の明日実(09)が、玄関前にいる。
回想シーンのモノローグ(M)の主は、十九歳の明日実。
明日実(M)「あれは、十年前の夏……紫藍祭当日の事だった」
二人共、紫藍染の浴衣姿であり、雅之は写真のままの姿である。
雅之「(済まなそうに)すまんな、明日実。爺ちゃん、一緒に祭には行けんのだわ」
明日実「(不満そうに)何で?」
雅之「その……大事な人と会う約束があるんよ。小遣いやるから、祭には友達でも誘って行きなさい」
雅之、懐から取り出した千円札を、明日実に渡すと、祭で賑わう通りに歩き去る。
明日実(M)「普段は良く相手をしてくれた祖父なのだが、僕が八歳になってから、紫藍祭の日だけは、僕の相手をしてくれなくなってしまった」
千円札を浴衣の帯に仕舞いつつ、不満気に頬を膨らませ、雅之を目で追う明日実。
明日実(M)「十年前も、祖父は一人で紫藍祭に行った。置いていかれたのが不満だった僕は、密かに祖父の後をつけ始めたのだ」
明日実、探偵の様に人陰や物陰に身を隠しつつ、雅之の後を追い始める。
○大通り(回想)
祭囃子が流れる、紫藍祭の真っ最中の、人々で賑わう大通り。
楽しげに行き交う浴衣姿の人々の間を、周りを見回しつつ、歩き続ける雅之。
陽気であるが、何処か物悲しくもある祭囃子が聞こえる、大通りに出る雅之。
建ち並ぶ様々な露店を、何かを探しているかの様に、見て回る雅之。
明日実(M)「祭囃子が流れる大通りを、目的の人を探しているかの様に、祖父は歩き回り続けた」
通りを徘徊する雅之と、後を追う明日実。
明日実(M)「だが、大通りに目的の人は見当たらない様で、祖父は大通りを後にして、紫藍神社の参道に通じる小道に、足を踏み入れた」
大通りから分かれた小道に、入って行く雅之。
雅之の後を、少し離れて追う明日実。
○参道に通じる小道(回想)
古めかしい家々に挟まれた、石畳に覆われている小道。
人通りは少ないが、小道にも数軒、露店が店を出している。
その中の一つの店を見て、はっとした表情を浮かべる雅之。
雅之、その店に早歩きで近付いて行く。
白いお面が並ぶ、「白面屋」という看板が出ている露店の前で、立ち止まる雅之。
白い浴衣姿の老人……白面屋の主人(77)が、椅子に座ったまま、目の前に立つ雅之を見上げる。
雅之「お面を一つ、貰おうかな」
主人「うちの面をかぶって、あんたは何処に行き、誰に会うつもりだい?」
雅之「黄泉の森に行き、黄泉に旅立った女に会うつもりさ」
主人「(肩をすくめ)ま、あんたは二度目だから、こんな問答で確認する必要は無いんだが、一応は昔からの仕来りって奴でね」
雅之「(微笑んで)分かっているさ、そんな事。それにしても、今年は随分と、寂しい所に店を出したんだな」
主人「客が少ない店だからね、これくらい寂れた所の方が、丁度良いくらいさ」
主人、雅之の後ろの方で、電柱の陰に身を隠している、明日実に気付く。
主人「(明日実を指差しながら)後ろにいる坊主、知ってる子かい?」
雅之「(振り返りながら)坊主?」
雅之と明日実、目が合う。
雅之「(驚き、困った様に)明日実……」
気まずそうに頭を掻く、明日実。
雅之「(主人に)孫なんだ。家に置いて来たんだが、ついて来ちまったみたいだな」
明日実「――その人が、だいじな人なの?」
雅之と主人、顔を見合わせて笑う。
主人「(楽しげに)いや、ワシは違う。お前の爺ちゃんの大事な人ってのは、坊主の婆ちゃんの事さ」
雅之「(驚いて)おい、その話は……」
主人「あんたの孫なら、紫藍神社紫藍神社の氏子だろうし、男の子だ。知っても構わないじゃないか」
雅之「しかし、まだ早過ぎる」
主人「あんただって、いい歳なんだ。何時、あちら側に行くか分かったもんじゃない。教えられる時に、教えておいた方がいいさ」
考え込む、雅之。
明日実「――ばあちゃんは、きょねんのはるに死んじゃったから、会えないよ」
戸惑い気味の表情の、明日実。
主人「(悪戯っぽく)会えるんだよ、紫藍祭の間だけは、坊主の爺ちゃんは婆ちゃんに会えるんだ」
主人、露店に並ぶお面を指差す。
怪しげなデザインのお面……白面は、全てデザインが異なっている。
主人「このお面をかぶって、紫藍神社の裏にある黄泉の森に行けば、会いたいと願う死んだ人に会えるのさ」
驚きの表情を浮かべる、明日実。
明日実「じいちゃん、ホントなん?」
雅之「――本当だよ。爺ちゃん、紫藍祭の日は婆ちゃんに会わないといかんのでな、明日実と祭には行けなかったのよ」
明日実「(嬉しげに)ボクもばあちゃんに会いたい! じいちゃん、ボクもいっしょにつれて行ってよ!」
悲しげに、首を横に振る雅之。
雅之「そうしてやりたいんだが、無理なんだわ」
明日実「何で?」
雅之「――婆ちゃんと好き合うてた男しか、会えん決まりなのよ」
明日実「だったら、ボクもばあちゃん好きだったし、ばあちゃんもボクのこと好きだったから、会ってもいいじゃん!」
困った様に、顔を見合わせる雅之と主人。
雅之「好きと言っても、明日実が言ってる好きとは、意味が違うんだわ」
明日実「(首を傾げ)どう……ちがうの?」
雅之「(困った様に)それは、その……好き合った上で、情を通じた男女同士というか、何と言うか……」
主人「(雅之に)情を通じたって……そんな言い方じゃ、子供には意味が分からんだろうに」
苦笑する主人。
主人「(明日実に)要するに、大人になって好き合った、男と女の男だけが、紫藍祭の日……死んだ女を呼び出して出会えるんだ」
明日実「大人……」
主人「坊主は、まだ子供だろう? だから、婆ちゃんには会えないって訳さ」
不満そうな、明日実。
主人「――だから、今日は婆ちゃんに会うのは我慢して、爺ちゃんを婆ちゃんに会いに行かせてやれ。坊主がついて行くと、爺ちゃんも婆ちゃんに会えなくなるからな」
不満そうではあるが、頷く明日実。
主人「(満足げに)坊主も大人になって、好き合った女が死んだら、ワシの所に来い」
主人、白面を明日実に指し示す。
主人「坊主が会いたい女に会える、お面……この白面を売ってやるからさ」
主人、屋台に並ぶ白面の一つを手に取り、雅之に手渡す。白面を受け取った雅之は、懐から取り出した小銭を主人に手渡す。
雅之「じゃあ、爺ちゃんは婆ちゃんに会ってくるから。明日実は祭を楽しんでおいで」
明日実、頷く。
雅之「それと、今日の事は……誰にも話しちゃいかんよ。特に女の人にはな」
明日実「何で?」
雅之「紫藍祭で死んだ女に出会えるのは、紫藍神社の氏子の、男衆だけの秘密なんだわ、昔からな……」
明日実(M)「そう言い残すと、祖父は僕に背を向けて、紫藍神社に向かって歩き去って行った」
明日実、雅之を目で追いつつ、見送る。
明日実(M)「氏子だの男衆だのという、言葉の意味を知らなかった、その頃の僕は、祖父の話の意味を、正確に理解していた訳では無かった」
(F・O)
○御蔵家・葬儀会場(回想)
居間と隣接する二部屋が、襖が外されて一続きの広い部屋となり、葬儀の場として利用されている。
花に飾られた棺桶の背後の壁には、雅之の遺影が飾られている。
棺桶の前で正座している僧侶が、念仏を唱えている。
僧侶の後ろには、喪服姿の人々。その中の一人が、学生服姿の明日実(14)。
明日実(M)「紫藍祭の日、情を通じた死んだ女に会える、紫藍町の隠された風習……死に逢うと綴り、死逢と読む風習について、僕が詳しく知ったのは、その五年後……祖父が死んだ直後の事だ」
(F・O)
○同・明日実の部屋(回想)
学習机の前で、椅子に座っている明日実。
学習机の上には、封を切られた「明日実へ」と記された、遺書の封筒。
便箋に書かれた手紙の如き遺書に、目を通している明日実。
明日実(M)「僕に宛てた祖父の遺書に、死逢という風習について、祖父の知る全ての事が、記されていた」
遺書に書かれた「死逢」という文字が、クローズアップされる。
○死逢を解説するイメージの連続
古文書……古事記が表示される。
古事記の上にオーバーラップする、イザナギとイザナミのイメージ。
明日実(M)「古事記には、国産みの神とも言われる女神……イザナミの死後、夫であった神のイザナギが、死後の世界である黄泉の国まで、イザナミに逢いに行く話が、記されている」
腐敗したイザナミを見て、恐れ戦くイザナギのイメージ。
明日実(M)「腐敗し醜くなった姿を、イザナギに見られてしまったイザナミは、恥をかかされたと激怒した。そんなイザナミをイザナギは恐れ……神の夫婦は黄泉の国と現世に別れたまま、離縁する事になったという形で、その話は終わる」
森の中にある古めかしい神社……紫藍神社のイメージ。
明日実(M)「だが、紫藍神社に伝わる古文書……死逢記には、死んだイザナミに逢いに行くイザナギの話は、別の形で伝わっている」
生前のままの美しいイザナミを、抱き締めているイザナギのイメージ。
明日実(M)「黄泉の国でイザナギを出迎えたイザナミは、元の美しい姿のままであり、二人は束の間ではあったものの、互いの愛を確かめ合えたと、死逢記では伝わっているのだ」
古文書、死逢記のイメージ。
明日実(M)「この死逢記に記された話には続きがある。死んだ妻に逢えた喜びを、他の者達にも分け与えようと考えたイザナギが、愛し合い情を通じた死せる女に逢う為の方法を、人々に遺したという話が、死逢記には記されていた」
死逢記の、「死逢」という儀式について記された部分のイメージ。
明日実(M)「その方法は死逢と呼ばれ、僕が生まれ育った地域で伝わり続け、風習となった。そして、死逢という名は、そのまま土地の名にもなったのだ」
明治維新や文明開化を思わせる、様々なイメージの連続。
明日実(M)「だが……文明開化の時代に、死者に逢えるなどという非科学的な風習は、恥ずべき……秘すべきだという考え方が主流となり、死逢という風習も土地の名も、秘すべき存在となってしまった」
紫藍染という、藍染のイメージ。
明日実(M)「故に、死逢という土地の名は、元々は死逢という言葉の響きを真似て名付けられた、名産品であった藍染の名……紫藍染の紫藍に置き換えられた。今では、死逢という言葉や風習は、紫藍神社の関係者や、古くからの氏子の、男達だけにしか伝えられていない」
五月のイメージ。
明日実(M)「氏子の家族であっても、死逢の存在は女に伝えられる事は無い。死者に逢えるのは男だけである為、逢えない女が死逢の存在を知っても、不満を感じるだけだと考えられていたからだ」
○御蔵家・明日実の部屋(回想)
学習机の前で椅子に座り、遺書を読み耽っている、五年前の明日実。
明日実(M)「祖父の遺書には、死逢を行う詳細な手順も記されていた」
読み終えた後、少しだけ考える素振りを見せる明日実。
明日実(M)「でも、当時の僕には、祖父の言う所の情を通じた……要するに深い付き合いをする事になった女も、その上で死んだ女もいなかったので、死逢をやる事は出来なかったし、する必要も無かった」
明日実、遺書を畳んで封筒に戻し、封筒ごと机の引き出しに仕舞う。
○高校生活のイメージの連続(回想)
高校生としての生活を送る明日実。
勉強や体育、体育祭や文化祭などを、男子生徒や女子生徒達と行っている、明日実のイメージが、次々と切り替わる。
明日実(M)「高校生としての忙しく楽しい生活を送る内に、何時しか死逢の事など、僕は忘れ去ってしまっていた」




