幕間 ノーファの村4
若者達が外に出ると戦闘が始まっていた。
正面から来る猪の群れは魔物の暴走と呼ぶには規模が大きな物であった。
普通の魔物の暴走というのは100匹の事を言うが、この村に迫っている群れは1万を超えていた。
「畑に入られては堪らんでな。ホレ!」
ノクウが猪の群れの方に指を差すと地面が凹み、そこに落ちた群れが凍っていく。
まぁ、元であっても【賢者】なら無詠唱で複数の魔法を使えるのは納得できる。
騎士達は驚愕した。
明らかに戦えそうにない農民たちがAランクの魔物の群れに対して善戦していたからだ。
鍬や鎌といった農具で猪の群れを薙ぎ倒している。
しかも一切のスキルや魔法を一切使わずに。
「ん?よく見るとカーブボアの群れではなくてディメンジョン・ボアの群れじゃな。本気でやらんと不味いの・・・。皆の者!攻撃される前に終わらせるぞ!」
ディメンジョン・ボアはボア系の魔物の最上位種で敵を視認すると攻撃してくる。
攻撃方法はただ走るだけなのだが、走る際、対象の目の前にワープしてくる。
なので、ノクウは攻撃される前に倒すという方法を村人達に伝えたのだ。
そこからは一方的で、村人達はあっという間に猪の群れを討伐していった。
若者達は唖然としていた。
そして老騎士と王が外に出てきたところで
「団長、俺達に暇を下さい。ここで暮らしたくなりました。」
と口々に言い始めたのだった。
「許すわけなかろう。(妻が)儂だってここに住みたいのだから。(孫と一緒に居たいから)」
「皆の者、帰りますよ?」
そう言って王女一行は王都へと帰っていった。
王女達が出発して直ぐ後、領主夫婦が戻ってきた。
「ノクウさん、何が有った?」
「猪の群れじゃよ。荒らされる前に倒したからなんの問題もない。それよりお主の両親が来ておったぞ。」
「そうですか。2人とも元気でしたか?」
「元気じゃったよ。それよりも交易の方は?」
「上手くいきました。私の義妹にお願いしてきたので。」
こうしてノーファの村の1日が過ぎていくので有った。




