両親
「く、詳しく話す事は出来ないが、王都で同じ派閥の者がちょっかいを出した事があって・・・恐ろしいモノを見たと語った事があってね。」
恐ろしいモノ?
あの村は畑や山といった自然しかなくて、とても長閑な場所だ。
「恐ろしいモノをみた?あの村には畑くらいしかないんですけど・・・」
「そうだぜ。ラキドの兄貴が言うには普通の【農民】の辺境貴族らしいけどな。村人の大半は隠居の爺さん、婆さんらしいし。」
うん、私の家族以外はお年寄りです。
「ちょっかいを出したって何をしたんです?」
「赤ん坊の君を攫って言う事をきかそうとしたみたいなんだが、その者の私兵が返討ちにあったらしい。」
へぇー、そんな事がね。
当然、私の記憶にはない。
「そう言えば、クラレンスちゃん、何の用があってパパに会いに来たの?」
本題は取り壊しの件だ。
「早朝、アンタの部下を名乗る男が、神殿の立ち退きを迫ってきた。」
それを聞いた領主はこう答えた。
「立ち退き?そんな事は命じていないが・・・?」
え?どう言う事?
「ほら、あの商人から貴族になった、三下貴族じゃねーや。サン・シタールだっけ?」
「ヨン・シタール君だったような・・・」
「ニ・シタールですよ、父さん。」
正直、何下でもいいです。
「とにかく、彼に命じたのは区画整理だな。しかし、神殿だけは動かすなと命じている。よし、パパの力でどうにかしよう。」
パパを強調したな・・・。色々アレな人だけどそれだけ、娘の事が大事なのだろう。
「ところでラキド・・・ムコ殿はまだ戻ってきてないのか。」
「ちょ、何言いやがるんだ!」
カルティエさんの顔が赤らんで今にも煙が出そうだった。
本当に仲のいい親子だな。
自分の両親は今、何をしてるのかな?
そう、私は思った。
同時刻、ノーファの村
1人の人物がノーファの村にやってきた。
「ごめん下さい。オーエンさん。」
この家の人が返事をした。
「は〜い。あら?貴方は・・・。ユーナちゃんは旅に出ていませんよ?」
「いいえ。今日は、あなた方に用があって来たんです。」
「私たちにですか?もう少しで主人が帰ってくると思いますが・・・。」
そう、妻が客人に告げると
「お〜い。夕食にしよう!」
と言ってこの家の主人らしき人が歩いてきた。
「貴方様は・・・、先日は娘がお世話になりました。ユーナは帰ってきてませんが・・・。」
「いいえ、今日はお二人に話がありまして・・・職業【◯◯】、【◯◯】である、あなた方は何故このような場所に農村を作って隠居しているんですか?」
「どこでそれを・・・いや、貴方様なら可能ですね。全てをお話ししましょう。決して口外はしないでください。」




