【修道女】の祈りと神様
「起きろ!ユーナ!朝の祈りの時間だ。」
う・・・アタマが痛い・・・。これが二日酔いか・・・。
「ほら、キャベシの液だ。元農民なら知ってんだろ?」
勿論、キャベシという野菜から搾り出した液体を飲むと二日酔いに効くのは知っている。
まさか、自分に使う日が来るとは・・・。
「早く着替えて礼拝堂まで来な。」
カルティエさんは何で平気なんだろうか・・・。
私はキャベシの液を飲み干して急いで着替えて礼拝堂へ向かった。
「来たな。じゃぁ祈るか。」
そう言って彼女は祈りを捧げた。
私も祈りを捧げる。すると空から光が降り注ぎ私を包んだ。そして最近聞いた女性の声がした。
「初めまして、あなたは新米の【修道女】ですね。私は【職業神】です。」
え?お師匠様!?
「あ、もしかしてユーナちゃん?へぇ〜【修道女】になったんだ。」
はい。カルティエさんという方に習いながらですけど。
「カルティエ?そんな名前の【修道女】はいないと思うけど・・・」
どういうことですか?
「今は、どこの街?」
リトーナです。
「そこの街は【神官】ラキドと【修道女】クラレンスが所属している筈。」
クラレンス?カルティエではなくて?
「うーん。彼女にも事情があるんじゃないかな?そろそろ祈りの時間は終わりだね。またね。」
そうお師匠様に言われて光は消えていった。
「初回は神様と会話ができるんだ。運がよきゃ生きてるうちに何度も会話ができるんらしいんだけどな。そんで、何を話したんだ?」
「それは・・・」
私がカルティエさんの名前について聞き出そうとした時、礼拝堂の扉が開いた。
「早朝に申し訳ない。立ち退きの件だが考えて貰えたかな?」
いかにも貴族な人がやって来た。
「転職をご希望でしょうか?」
カルティエさんは動じずに笑顔で言った。
「貴様!領主の使いをコケにしてタダで済むと思ってるのか?」
怒る貴族風の男性。
そこにカルティエさんは笑顔を崩さずにこう言い放った。口調は崩して。
「帰ってクソ領主に伝えな!三下貴族を寄越さないで自分で来いって。それとラキドの兄貴は今いない事もな。」
「小娘!」
三下扱いされた貴族風の男性は激昂している。
そりゃそうだ。成人したての小娘に三下扱いだもの。
その男と目が合った。目が合った時に冷静さを取り戻したようで、
「ほう、これはなかなか良い娘がいますな。」
と言われた。
正直なところ視線と言動が気持ち悪かった。
「クソ領主には抗議するからな!旅の修道女に如何わしい事をしようとした部下がいるって。」
「っち、立ち退きの件は【神官】が帰って来てから話し合うことにしましょう。」
そう言って、貴族風の男は去っていった。
「すまない、ユーナ。これから領主の所に行ってくる。神殿の仕事はその後だ。」
そう言った彼女の表情はかなり辛そうであった。




