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村を離れられない【神の見習い】




「折角、神様の見習いになったのだから、世界を見て来なさい。

世界は広い。だからこそ色々な事を知るんだ。長年、冒険者として世界を旅した俺だって知らない【職業】やスキルがあるんだからな。それにな、旅をして愛する人・・・ユリと出会ったんだ。」


「まぁ、貴方ったら。そうね。神様の見習いなんて誰にでもなれる訳ではないのだから行って来なさい。

それに同い年の子もいない、こんな田舎だとね?

私も成人した時に故郷を出て【魔法使い】になって旅をして、この人と出会って今日まで一緒にいるし。」


何を言ってるんですか?お母様・・・

あと、2人とも客人の前でイチャつかないでください。恥ずかしいですから・・・


「独り身で【農民】としてこの村で一生過ごすつもりだったので別に旅に出なくてもいいです。」

両親の貴族の地位は一代限りのものだと小さい頃から教えられて来た。

一代限りの貴族は職業ではなく地位。

お金で買うか武功をあげるかの二択。


この2人は恐らく後者。

たまに昔戦った魔物の話をしてくれるのだが、内容が三首の犬とか、呼吸一回で街を壊滅させるかなり大きい蜥蜴とか、人の血を吸う不死生物だった。

辞める前のランクを聞いた事はないが、2人共、ただの冒険者ではないのは確かなのだろう。


話が逸れてしまった・・。

とにかく、2人の子供である私が爵位を継ぐことはない。

だからこそ幼い時から慣れて親しんでいる【農民】になりたい。


「ユウナちゃん、【農民】は・・・」


お母様の言葉はいつも同じ・・・。

だけど今は私も言いたい事がある。

「いくら【農民】のスキルがあるとは言え、高齢になると辛いと感じる事くらいは理解しています!それに今、私がこの村から居なくなったら・・・」


一体誰が、お年寄り達の畑の手伝いをするのか?

この村には私以外は自分の畑があり他の人を手伝う余裕はない。そうなると収穫は確実に減る。

もし、そのようなことがあれば国へ納める税が減る。

そうなれば両親の責任問題になってしまう。

それに、毎年、誰かが亡くなり居住の希望者は居らず人口が減るという問題も抱えている。


暫く誰も言葉を発さなかった。

【職業神】様も少し表情を曇らせていた。



普通なら更に気まずくなる所だろうが【能力神】様は御構い無しに

「ご両親はユーナちゃんに旅に出て欲しい。ユーナちゃんは村に残りたい。そうですね〜、師匠からのご祝儀で1つスキルを与えましょう。」

と笑顔で言い放った。



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