【続編 第20話】覚悟
「兄さん、大丈夫ですか!」
ちはるが駆け寄り、心配そうに声をかける。倒れ込んでいたやおたは、顔をしかめながらもなんとか体を起こした。
「……たぶん、急所には当たってないと思う……」
やおたが弱々しく答えると、ちはるは意を決したように周囲の仲間たちを見回した。
「皆さん、聞いてください。助かる方法が、ひとつだけあります。あいつらは過去へ行くことはできても、現代より未来に行くことはできません。……ですが、僕なら未来へ行くことができます。ただし、これには大きなリスクがあります」
ちはるの重い言葉に、その場の空気が張り詰める。
「10年単位の未来にしか跳べないうえに、未来へ行った分の歳を、僕たちはそのまま取ってしまうんです。……皆さん、それでもいいですか?」
覚悟を決めたみんなは、黙って深く頷いた。
「……分かりました。では、僕が敵の気を引いているうちに、皆さんはちくさんと青い剣士さんを回収してきてください!」
ちはるが飛び出そうとしたその時、手が肩を掴んだ。きよぴこだ。
「ちょっと待ってくれ。……俺に、千春の役をやらせてくれ」
きよぴこは静かに、しかし燃えるような目で言った。
「俺は……友達をあんな目にしたあいつを、どうしても許せないんだ」
「……分かりました。でも、すぐ戻ってきてくださいね!」
千春が承諾したそのとき、背後から狂気じんだ叫び声が響いた。
「何ごちゃごちゃ言ってるたぁ〜ん!」
「なぁ、ちょっと話がしたいんだ」
きよぴこは臆することなく、語尾に「たぁ〜ん」をつけるその男に向かって静かに歩み寄っていく。その隙に、みんなはちくさんと青い剣士を救出するために一斉に動き出した。
「ハッ、土下座でもして謝るたぁ〜んか!」
男が嘲笑ったその瞬間――きよぴこの渾身の拳が、敵の顔面に深く炸裂した。
「たぁ〜〜っ!?」
顔面を撃ち抜かれた男は、きりもみ回転をしながら遥か後方へと吹っ飛んでいく。
「早く戻ってきてください!」
千春の叫び声とともに、無事に二人を回収したみんなが、やおたと千春の周りに素早く集まった。
まずい 間に合わない!きよぴこさん 早く!!




