再会と決意
三人が席につくと「いただきます。」といい熱々のシチューに手をつけ始める。
「ジン行くとこがないならここに住むといい。三人で住もう。ダンは家があるようでないもの同然だからな。私がいないと一人だと何もできない」
口の横にルーをつけていたもう一人の団ダンの口元を拭いながらそういう姿はまるで母子のようだ。いや、恋人というべきか。
「いいのか」
前の生活や住まいを失っていたダンには救いの言葉だった。
「お前がたとえ悪い奴でも私は強いからな」
ガッツポーズをする。それはいつでも追い出そうと思えば追い出せるという言葉と受け取った。だがそれで問題なかった。
(アリラを守るためには近くにいるのが絶対条件だ。しかし……)
あの視線をもう一度欲しいと感じてしまうダンはどうすればいいのか考えた。そして考えついた方法とは。
「あ……アチい……」
ダンはそんなつもりはないが誰が聞いてもぶっきらぼうにそういった。
(……いい年して一体何をしているんだか……)
ダンは自分のしたことに恥を感じ食事の続きを取ろうとした。すると。
「スプーンをかせ。私がフーフーしてやる」
アリラがスプーンを奪うと具とルーを救い柔らかい唇から息を吹きかけ口の中に食べさせてきた。
「案外おてんばさんなんだな」
アリラがそういって笑った。何をしたって敵わないあの笑顔で。
ダンはそれだけで今までの凍りついた心が救われた気がし瞳孔を開いた。
(効果……ありなのか……)
ダンが演じることにしたのはもう一人のダンの様にすることだった。いや、それ以上だ。
ダンはアリラを守るためにもう一度兵士になり騎士団長にもう一度なろうか考えていたもののアリラを手に入れるにはヘタレを演じなければならないと知ってしまった。
(否……もう一人守れるやつがいる……)
では、誰を騎士団長のそばに成り上がらせるか……。それは。
「明日武器屋に行こうと考えている。ダン付き合ってくれるか」
もう一人のダンだった。




