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1 病気発覚まで

リアル闘病記の記録です。2,019年の夏から今現在まで私の身に起こっていること。

良性腫瘍=決して命の危険がないものではないことを知ってほしい。

 家族に勧められたこともあり、6年前に病気が発覚してからのアレコレを書き記すことにした。幸い、かなりのメモや日記めいたものを書いていたので、書くネタには事欠かないし、時系列もはっきりしてる。

 何より、私のような思いをする人が一人でも減ってほしいという気持ちがある。

 あの時病院に行ってなかったら、たぶんもう今私はここにいないから。

私の病気は所謂、脳腫瘍で、小脳付近にできる聴神経腫瘍と言う脳腫瘍です。手術はしましたが、全摘はできず、まだ頭の中に残ってます。

良性腫瘍ですが、良性は=決して楽なものではないことを、私も自分の身に起こるまでわかってなかった。




 事の始まりは2019年の夏。

 きっかけは数週間前から、仕事の電話をするときに何となく左耳の聞こえが悪いなあ、と感じていたので仕事帰りに耳鼻科に行ったところ、即大学病院に紹介状を出されたところから始まる。

 え、そんな大事?と思いながらも翌日仕事の休みをとって紹介された大学病院へ。検査と診察をして先生に言われたのが


 「即刻本日入院か、絶対安静で自宅投薬か。できれば入院 」


 という一言だった。普通に診察だけするつもりで病院に来ていたので、当然入院準備などできていない。

 だけど、きっとこれは入院したほうが良いのだろう、と思い、「入院します」と言って、一旦家に帰って準備させてほしいとお願いして、一度帰宅することにしたが、その前にMRIに急遽キャンセルが出たから先にMRIを、と言われMRI検査をする。

 

 そしてこれが非常にラッキーだったことを、私は後に知ることになる。


 ちなみに翌々日行くはずだったミュージカルの千秋楽は泣く泣く諦め、代わりに友人にチケットを渡していってもらった。千秋楽に空席を作らなくてよかったなぁ、と思ったのを覚えてる。


 まず毎日の点滴のために針を入れるのだが、私は血管が細くて以前別の病院で検査入院した時にも血管取れなくて手の甲から入れたんだけど、それがあまりに痛くてのたうち回ったことを覚えていたので、手の甲だけは!手の甲だけは許してください!と割とガチめに涙目で訴えたところ、二人看護士さんチェンジして無事に右手首から取れた。いや、ここもだいぶ痛いけど、手の甲よりマシ。入院1日目と2日目は点滴して薬のんで寝てごはん食べて、の繰り返し。持ってきた小説8冊のうち5冊読み終わってしまうくらいやることがない。止まってたFGOの4章もサクサク進む。福袋でマーリン引いたので進行楽。


 明けて入院3日目の朝。朝ごはんのあと、看護士さんが呼びにきたので案内されるがまま何故か耳鼻科ではない処置室へ。ドクターから見せられたのは、MRIの画像だった。


「腫瘍があります」


 ?????今なんとおっしゃいましたか??????

 私の思考、マジでまずクエスチョンマークで占められた。


 どんどん見せてもらうMRIの画像。私の眼球や脳ってこんな形してるのか、と思いながら見てたら、先生が一枚の画像を止めて見せてくれた。私の小脳の部位。左側に明らかに右側と違う影が映ってた。素人目でも分かるくらいくっきりと。


 これが私の頭の中にあるの???え、脳腫瘍ってやつ???


 うん、実感ないわ、と思いながら「大きさってどれくらいですかね?」って質問したら「3センチから5センチ弱かな?ここに聴力の神経があって圧迫してる可能性があるので、それで左耳が聞こえなくなってるものと思われます」と説明してくれた。

 ここに腫瘍があると顔面神経麻痺や眼球の動きに影響が出たりめまいでふらついたり、の症状もあるらしいけど、私にはまったくない。階段を急いで駆け降りる時にちょっと視界が追い付かない時があるな、くらいでそれは申告した。


 本当なら、私はこの翌日にMRIの予定だった。それがたまたま、初日に帰らずにまだ院内にいる時にMRIのキャンセルが出て撮ることができたので、早めの発覚となったのは非常にラッキーだった。


「なので、ここからねねこさんには脳外科に移ってもらうことになります」


 脳外科……。人生で初めて行く診療科だよ、え、ほんとに???とまだちょっと現実感がなかった。

 そんな風にして、私の病気は発覚し、ここから何年もの闘病が始まった。



 翌日、朝から職場に電話をかけ、こういう理由で入院してます、と伝えた日の午後、もう退院していいよ、と言われた。これ以上、耳鼻科にいる必要はないからと。

 やったぁ!五日ぶりのシャバーーー!!と自分でも驚くくらい大喜び。


 ただ、点滴がラスト2本残っていたのでそれが終わるまでは出られない。朝ごはんもぐもぐしながら点滴が終わるのを待っていると、耳鼻科の先生に呼ばれ、退院前の最後の検査。前より色々聞かれて、翌日の外来についての説明と聴力検査。聴力が戻った気はまったくしないけど、まあ仕方ないよね。


 朝、午後、夜、と毎日点滴してたからか、最後のほうには血が滲んでたけど、痛みがないのはやはり針の挿し方がうまいんだろうなぁ、と思った。


 点滴を終えて、片づけして、請求書を見て思ったより少なかったな、と。6桁行ったかと思ったのに。それでも大金には違いないのでクレカ様のお世話になって、うーん、決済限度額上げておかないとやばいかも、とクレカの決済限度額に初めて危機感を覚える。


 薬いっぱいもらって、帰宅。5日ぶりの我が家最高。お風呂に入ってご飯食べて、録画しておいたニチアサを見る。


 FGOの水着イベント武蔵ちゃんとカーミラさんをお迎え成功し、追い課金は思いとどまる。しっかりして私!明日もお金かかるんだよ!と心の中で止めてくれた自分ありがとう。


 ここ5日間のことは、まだどこかで現実だと思えてないというか一周回って冷静になってる。


 耳が聞こえづらくて病院行った→突発性難聴かな?→MRI→入院して難聴改善の点滴しようか→MRI見たら君、小脳に腫瘍ができてるよ


 この一連の流れがたった5日間とかうそでしょ?って感じですよ。たった5日間で人生が大きく変わってしまった。

 この後私の主治医になってくれたS先生イケボ曰く


「1000人に一人くらい、この流れで腫瘍見つかることあるんですよね。珍しいことではありますけど、症例は珍しいことじゃありませんから。ただ普通、これだけ(腫瘍が)大きいと顔面マヒや瞳孔に何か出てたりふらつきや転倒や眩暈もあったりするんですけどね(イケボ)」


「……階段駆けおりて、踊り場で体反転させるときにちょっと視界が追いつかない時がありますけど」


「それは反射神経と筋力の問題ですね(イケボ)」


 ソウデスカ。加齢デスネ。


 治療は手術の方向で進めたいと言うことなので、お任せします、と伝えて明日以降は手術に向けて検査が始まる。全身検査も必要で、この腫瘍が体のどこか別にできてる腫瘍から飛んできたものの可能性も否定できないからとのこと。まあこれで全身調べてもらえるのなら、それもラッキーだな、などと思いながら、乳がん検診には毎年引っかかってて、マンモとエコー、生針検査、去年もしたけど良性で経過観察です、と伝えておいた。


 毎年、乳がん検診で引っかかっているので、今回の事も、まー場所が頭だっただけで、なくはない事なんだろうな、とどこかで思ってたのかもしれない。

 

 今日のところは退院だー!って喜んで、次の入院の準備もしないと。慌てて入院準備すると、不足するものの多さを痛感した五日間でした。

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