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7 私ってか、こいつ、サイテー

宝石箱を持って部屋に戻りました。

コリーナがいなくなっていた。1人って落ち着くわあ。ふーと椅子に座り込んだ。

いやー、疲れた。衝撃の2日間だわ。

タイムスリップだか、異世界とかはまあ、しょうがないとして。

問題はエリザベート! どうする、こいつ? 絶対友達にならないタイプ。私こいつとして生きてくのか。

、、、本当のこと言ったほうがいいのかなあ。


コンコン。

ノックの音が。誰だろう?

「どうぞ」

コリーナが入ってきた。ものすごく言いづらそうな顔で、あのうと切り出してきた。

「アルベルト様がお見えです。どういたしましょうか、、、、」

おおう。婚約者の登場か! どうしよう。あ、毎日お見舞いに来てくれてるんだった。

条件がなんだ! お会いしないなんて失礼過ぎる。

「お通ししてちょうだい」

笑顔で言ったら、またもコリーナがフリーズ。すみません。本当にすみません。

このままだと、今度はコリーナの心臓が止まりそう。


ちゃちゃっと服のしわをのばして、髪のほつれをなおしてみた。

うーん。婚約者かあ。マルクよりひどかったらどうしよう。

それよりも! 婚約っていうことは結婚! 結婚するんだよね。いつ?

ほとんど会ったことのない人と結婚なんて、、、できない。私無理だ。最悪逃げ出すしかないかなあ。

なんて考えてたらアルベルト様が来ちゃったYO!


「アルベルト様がお見えになりました」

コリーナがドアを開けて脇に控える。

「こんにちは。お加減はいかがですか?」

身長は180cmぐらい。細身のすらりとした身体の男性が足を引きずりながら、ゆっくりと歩いて部屋に入ってきた。

さらさらの肩までの黒髪ストレート。アメジストのような紫色の瞳。鼻りょうの通った鼻。透けるような白い肌。服は渋めに黒っぽく統一していて。


ズッキューーーーーン! ハートを射抜かれました。

一目ぼれ? これが一目ぼれってやつ? すてき過ぎる! 神様ありがとう! いや、お父様ありがとうか? どうしよう。私が夢に見たすてきな王子様ってなもんだ。きたーーーーーー!って感じ。うわあ。


アルベルト様がふっと寂しそうに笑った。

「お声はかけていただけないのですね。いえ、会える日ではないのに、あなたに会えただけでも私は光栄に思いますよ。私の美しい婚約者殿」

そう言って私の手をとり、そっと口付けた。


ぽたっ、ぽたっ。

「お嬢様っ!?」

コリーナの叫び声。

何よ。手の甲にキスなんて、信じられないぐらいスイートな事してもらってるのに邪魔しないでよ。

「エリザベート殿ッ!!」

アルベルト様が叫ぶ。

やだ。口を放さないで。もっと手を握っていて。

・・・あ、鼻血たれてる。


その後が大変でした。横になれとか、血が付いたドレスを着替えろとか、医者を呼ぼうとてんやわんや。なんとか医者を呼び出すのを止め、鼻血が止まったところで、ドレスを着替えてます。

いやあ、興奮しすぎただけだろうと思うのよ。大騒ぎしてすみません。アルベルト様も原因だと思うんだけど、他人の中にいるんだもん。知恵熱出してもおかしくないよね。うーん。鼻血より知恵熱のほうが良かったよ。


「お待たせしましたアルベルト様」

ちゃんと着替えて部屋に戻った。これから彼のこといっぱい聞きださなきゃあ!

と意気込んで部屋に戻ったら、アルベルト様は私がマルクから取り戻した宝石箱を開けて見ていた。

「嬉しいです、エリザベート殿」

何が?

「私が送った宝石をまったく着けてくれないので、気に入らないのだと思っていたのです。

こうして箱に入れて大事にしまっていたのですね」

目を輝かせながらアルベルト様が私に笑いかける。

「でも大切に持つより、ぜひ身に着けていただきたい。特にこれは手に入れるのに苦労したのです」

そう言って 黄ダイヤのネックレスとイヤリングのセットを取り出した。


えーと、つまり、エリザベートはー、

アルベルト様から贈られた宝石をー、

他の男に貢いでいましたー、

ってことかよ、おい。

私ってか、エリザベートってか、もうコイツでいいだろ。


こいつ、サイテー。

更新が遅くなってしまいました。

これからも不定期になってしまうかもしれません。

すみません!!!!

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