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VRMMOで憧れてた鍛冶職を取ったけど思ってたんと違う....  作者: ヤミラミ


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ワールドアナウンスとサマーイベント予告

カンッ!カンッ!カンッ!


あの質量の塊みたいな大剣を作ってはや4日、ハンマーで金属を加工することにも慣れてきた今日この頃。いつもと変わらず今日も今日とてバルドさんの熱心な?指導の下俺は鍛冶をしている。

最近は少しリアルの方でも鍛冶について調べたりして、気づいたことがある。


それは、鍛冶をするにあたってはSTR(筋肉)こそ正義だということだ!!!!!


結局STRで思いっきり叩くのが一番効率もいいし、何しろ武器の完成度が高い!!!

ちなみに最近作った装備の中で一番の自信作はこれだ。


名称:黒鋼の直剣


品質:中級(超圧縮)


攻撃力:70


【要求ステータス】STR88以上/DEX95以上


【固有効果】力任せ(自身のSTR値を参照して要求ステータスのDEXを下げる)


なんとこれは、俺が初めて作成することができた直剣である。

バルドさんに比べたらまだまだだけれど、STR全振りの俺にぴったりな固有効果もついていて、この剣の試し振りだけでレベルが1も上がってしまった。

そしてレベルと言えばなんと俺はレベル20になりステータスもだいぶ強くなった。


【 SYSTEM STATUS WINDOW 】

PLAYER NAME : レイ

RACE : ヒューマン

JOB : 鍛冶師 Lv.20 [ 1429 / 6000]


[ VITALS ]

HP :100 / 100

MP : 20 / 40

STM : 67 / 75


[ PARAMETERS ]

STR : 120(+92)

VIT : 18(+3)

AGI : 6

DEX : 18

INT : 5

[ ACQUIRED SKILLS ]

・【鍛冶 Lv.7】 ・【鉱石鑑定 Lv.5】

・【道具習熟 Lv.6】・ 【採掘Lv.5】


なんとSTRが120になり鍛冶をするのもとても楽になって最近は制作が楽しくて仕方がない。

ちなみにILOはレベルと各種ステータスを参照してVITALの数値を決めているらしい。

スキルとか考えないでカンカンする俺にとってはSTMとSTRさえあればいいからステ振りも楽でいい。

そうそう、ILOはレベルゾーンによって上がりやすさが違うのである。


・レベル1〜20 初心者帯、上がりやすい

・レベル21〜30 中堅下、少し上がりにくい(俺、第二陣でここまできているのはまだ少ない)

・レベル31~40 中堅上位と攻略組、上がりにくい、(コウタがこのあたり)

・レベル41~50 最上位、上がりにくい、リアルを捨ててる廃人の可能性が高い


ちなみに現段階の最高レベルは49である。

そんな事を考えているときであった。


『──ゴォォォン……ゴォォォン……』


腹の底に響くような、重厚な鐘の音が始まりの街全体に響き渡る。

視界の 中央に半透明の金色ウィンドウが展開される。


【ワールドアナウンス】

『ワールド初、プレイヤー【レオン】がレベル50に達成しました』

『偉大なる先駆者に、祝福の称号【先陣を切りし者】が与えられます』

『また、3週間後にサマーイベントを開催します。詳細はILOのHPに投稿されている動画をご覧下さい。』


「……まじか」


鐘の音が鳴りやんだ後、俺は思わずハンマーを握ったまま固まっていた。

街中に漂う静けさを破るように、外の喧騒がじわじわと広がっていくのが聞こえる。


最高レベル49から50への壁。その最後の一線を越えたのは、コウタでも他の攻略組トップでもなく、プレイヤー【レオン】。

レベル50達成もヤバいが、それ以上に世界中に流れた【ワールドアナウンス】のインパクトが凄まじい。リアルを捨てた廃人の中でも、さらに頭ひとつ抜けた化け物がついに現れたってことだ。


「おいレイ! 手を止めるな! 金属が冷めちまうぞ!」


「あ、すみませんバルドさん!」


怒声に弾かれたように正気に戻り、俺は再び熱した金属へ向かってハンマーを振り下ろす。


カンッ! カンッ! カンッ!


熱気の中で金属を叩きながらも、頭の中はさっきのアナウンスでいっぱいだった。

レベル50の偉業もさることながら、俺が一番気になったのはその後に続いた告知だ。


(3週間後に、サマーイベント開催……!)


ILO初の大型イベント。第二陣として参入した俺たちにとっても、追いつくための大チャンスかもしれない。詳細動画が公式HPに上がっているらしいが、今すぐログアウトして確認したい衝動をグッと抑える。目の前の鉄塊を蔑ろにしたら、それこそバルドさんに雷を落とされるからな。


それにしても、だ。


「サマーイベントか……俺のレベリングと武器作成、ここに間に合うか?」


チラリと自分のステータスを確認する。

STRは120。直剣の「超圧縮」を成功させたことで、俺の「筋肉こそ鍛冶の正義」説は間違っていないと確信した。要求DEX95の武器を、固有効果【力任せ】でねじ伏せて装備するスタイル。これぞ男の浪漫ってやつだ。


イベントとなれば、戦闘職の奴らはこぞって強力な装備を買い求めるはずだ。

もちろん、友人のコウタも例外じゃないだろう。あいつは確かレベル30台の後半。攻略組の端っこに食らいついているあいつも武器を探すに違いない。イベントが始める前にコウタに渡せるような武器を作ってみたいものだ。――想像しただけでワクワクが止まらない。


「ふん、なにニヤついてやがる。腕が鈍ってるぞレイ!」


「いや、なんでもないです! バルドさん、もう一回熱して叩きます!」


「おう! 腹から声を出して叩け!」


カンッ! カンッ! カンッ!


重厚な打撃音が工房に響き渡る。

レベル20になり、中堅の入り口に立った俺。レベル50に到達した雲の上の化け物【レオン】。そして3週間後に迫るサマーイベント。


「待ってろよイベント……! ILO実装からの大型イベントとしては初だ。ここで一気に成長してバルドさんや一陣の生産職に追いついてやる!!!!!」


新称号の誕生とイベントの予感に街全体が沸き立つ中、俺はさらに気合を入れて、熱を帯びた金属へ豪快にハンマーを叩き落とした。

なんと読者の皆様のおかげで、日間ランキング初の一桁である9位に到達することができました!!!!

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