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武野紹鷗って誰  作者: shoundo
序章
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1/30

序文

6年ほど前に、とある出版社に提出して、しばらく音沙汰のない文書です。

もう、忘れられているのでしょうね(涙


ある日の稽古で。

母:侘(わ)び寂(さ)びの「わび」という言葉は、武野紹鷗(たけのじょうおう)が初めて使いました。


息子:お母さん、武野紹鷗って誰なの?


母:千利休の先生です。


息子:「わび」というのは?


母:ある時、武野紹鷗が、

 見わたせば 花も紅葉も なかりけり

浦のとまやの 秋の夕暮

と詠(うた)うと、 千利休は、

 花をのみ 待つらん人に 山里の

ゆきまの草の 春を見せばや

と詠います。

「わび」は、「正直に慎み深くおごらぬ心」の事です。

武野紹鷗のわび茶は「花も紅葉もなかりけり」とし、「枯れてゆく世界を思い、茶の湯の世界とした」のに対し、千利休のわび茶は「ゆきまの草の春を見せばや」と、「新たな芽吹きを予感させる茶の湯の世界を築こうとした」わけです。


息子:つまり、紹鷗は「秋⇒冬」、利休は「冬⇒春」でわび茶を表現したわけだね。


母:紹鷗の師匠にあたる人物に村田(むらた)珠光(じゅこう)という人がいます。わび茶の精神はここから始まり、利休で大成します。この間およそ100年。珠光は、それまでの煌びやかな茶を、わびたものへと変えて行きます。これは、「夏⇒秋」になるでしょうね。

珠光は「夏→秋」、紹鷗は「秋→冬」、そして利休は「冬→春」。 季節は巡り、春に新たな花を咲かせる。 その花は、

君がため 春の野に出でて 若菜摘む

 我が衣手に 雪は降りつつ(光(こう)孝(こう)天皇(てんのう))

といったところでしょうか。


息子:千早振 神代もきかす 立田川

からくれなゐに 水くゝるとは(在原業平)

   紅葉は見えるけど、冬はまだ遠いかな?


母:では、武野紹鷗がどんな人だったのか説明して行きしょう。


茶道の稽古で母親と息子が「ごく普通に」お茶に関する会話をすると・・・

きっとこうなります。

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