終 縁
「やっぱりこうなるか」
宴はまだ続いているが、途中千紘は酒を飲んでしまい倒れてしまった。おかげで須洛は千紘をつれ部屋へと戻すこととなった。
「須洛」
顔を真っ赤にした千紘はぼんやりと須洛をみあげた。
「ああ、水を飲むか?」
「飲む」
小鬼に用意してもらった水をごくごくと飲む。ひといきつき千紘はだらんと須洛の胸に身をもたれかかった。
「寝るなら寝具の中にしろ」
子供に言い聞かすように須洛は彼女を寝具へと横たわらせた。単衣を脱がせ、身軽になった彼女の襟元から首筋がみえた。
もともと色白であったが、下女の仕事をしてだいぶ日焼けしてしまい今では健康的にみえる。
あの時は本当に軽い体で不安になったが、今はだいぶ肉付きもよくなっている。
ここ数年のうちに千紘の少女の体が女性のものに変化していくのを感じ須洛はごくりと喉を鳴らした。
「じゃ、俺は………」
宴に戻って飲みなおすとしよう。そういい立ち去ろうとするが、千紘は須洛の手を掴んでいった。
「ここにいて」
潤んだ瞳で見上げられ須洛はますます興奮を覚えた。
「その、今俺は久々だしお前に何するか」
「何してもいい」
須洛の首を両腕で抱きしめ、千紘はそう呟いた。
「全く、しょうがないな」
そう苦笑いして須洛は千紘の唇に口づけを交わした。
その後、二人は時間が許す限り共に過ごした。もう決して離れないようにと互いの腕でお互いを抱き合っていた。




