神様の大誤算 1
時には神様も墓穴を掘ることがあります。
それはある昼下がりのことでした。
「ああー暇! このままじゃ暇すぎて暇死にするー!」
神様は地面に『暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇暇……』とたくさん書いています。
知らない人が見たら呪いの類か何かと勘違いしそうな気がします。しばらくすると……。
「あーもうやめ、暇だから次に来たやつの願いを叶えることにする!」
あーあ、そんなこと言って良いのですか? どうなっても知らないですよ。
「良い、どうせ人の子の願いなんてたかが知れてるわ。あらかた宝くじの高額当選ーとか出世したいーとかそんなんでしょ? そんなん、このわたしのゴッドパワーでどうとでもしてあげるわ。神に二言はない!」
と、啖呵を切る神様。
おや、そうこうしている内に訪問者が来たようです。そう、なんとも羨ましいラッキーヒューマンが――。
それは小学生の男の子でした。ランドセルに背負わされている感じがなんとも可愛らしい。
「来たわね。でもあんな坊やじゃあ、本当に大した願いじゃなさそうね」
なんだかんだ言いながらホッと胸を撫で下ろす神様。
まさか神様に注目されているなんて夢にも思わないであろう男の子。ガラガラを鳴らし二回手を叩きます。
そわそわする神様。
「さあ、あなたの願いは何? ゲームが欲しいの? それともテストで満点? スポーツで活躍? 良いわ、あなたが願ったもの全部叶えてあげるわ」
さあ、いよいよ男の子は何かを願うようです。
「世界が平和になりますように」
「世界平和ね。よーし……それじゃあ、ちょちょいとやってやろうじゃないの世界平和! って……んなもんどうやって叶えろっちゅうんじゃー!!」
何も知らない男の子は帰っていきます。ランドセルに隠れたその小さな後ろ姿はやっぱり可愛らしい。
「さーて、それじゃあ……気を取り直して次に来た人の願いを叶えることにしようかな」
…………。
「何よ! 分かったわよ。坊やの願いを叶えれば良いんでしょ? 叶えれば!」
神様に二言は無いのです。




