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僕とミライの傑作小説  作者: cry-me
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ホラーセオリー1

『ホラーセオリー』



「ねぇ知ってる? 一年三組の噂。

 ある時ね、席が一つ余ったんだって。

 でね、ある生徒がふざけて、その余った席に話しかけたの。今日も休みか、早く学校に来いよって感じで。

 そしたら他の生徒や担任も悪ノリして、その席に元々生徒がいるかのように振る舞った。

 そしたら変な事が起こり始めたんだって。

 生徒の人数分きっかりにプリントとか揃えたら、一人分足りなかったり。

 よく人数の数え間違いが起ったり。

 よく物が無くなったり。

 たまに日直とかが作業を忘れたら、誰かがやってくれていたり。

 写真を撮ると、手や足の数が合わなかったり。

 そして、ある時、生徒が一人死んだわ。

 死んだ生徒は最初に、余った席に話しかけた生徒だった。そして一人また一人と生徒が死んだの。それで調べてみたら、元々生徒が一人、学校に入る前に死んでいたらしいの、それで席が一つ空いていたんだって。

 もしかしたら死んだ生徒が、皆に構って貰ったせいで未練を持って、皆を自分の方に惹きこもうとしているんじゃないかって噂が流れたわ。

 それ以来、その教室では必ず席を一つ余る様になったの。

 もし席が余って居なくても、そのうち誰かが死んで必ず席が一つ余るんですって。

 そして決して空いている席には声を掛けちゃいけないの。

 友達に成ったら連れて行かれちゃうから。

          ――学校の怪談」



「……さぁ、いよいよ始まります……恐怖の時間……ホラーセオリー……」

「ちょっミライさん、何か暗いし言い方おどろおどろしいですよ!」

「ホラーと言えば、定番は百物語とかだけど、流石に百話もやる余裕は無いので、本日は怪奇体験を行おうと思います」

「それでこんな薄暗い夜の教室に居るんですか……」

「ホラーの基本はこの薄暗さ、闇、夜、物陰……ダークサイドな雰囲気と味付けが物を言うわよ」

「まぁ日中にホラーってのもアレですからね」

「明るい日中だとしても、人気の無い日陰とか物陰を使うのがベターね、でもやっぱり一番は夜よ、夜中は人の心を不安にさせる何かがあるの」

「それで夜の学校ですか」

「そうそう、こんな感じの廃校なんてもう、何が出てもおかしくはないわね。で、冒頭の噂は読んだかしら?」

「はい、まぁ……何て言うか、この手の話って理不尽ですよね」

「まぁそうじゃないと怖くないしね、で、ここがその噂の教室になりまーす」

「だろうと思いました」

「で、アンタが今座っている席がその余った席でございまーす」

「うっわぁ! 何て所に座らせるんですかっ!? 座っちゃった! どうしよ!」

「落ち着きなさい、冗談よ、廃校で生徒も居ないのに余った席も何もないでしょ」

「あ、そっか……あーびっくりしたー」

「因みに大体B級ホラーだとこんな感じでふざけ合ってる男女とか真っ先に殺されたりするわよねー」

「状況が状況なんでそういうフラグ立てるの止めてくれませんか?」



[続く]


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