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非日常空間なコンビニバイト!  作者: ノアキ光


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シニアの団体客

ある平日、午後3時頃。

私はいつものようにコンビニのレジに立っていました。


すると突然、駐車場にデカい観光バスがどーんと停まります。

私(……なんか来たな)


ドアが開くと同時に、

ゾロゾロゾロ……と、70歳以上は確実なおじいちゃんおばあちゃんの集団が雪崩のように店内へ。


私(ヤバい!! 完全にコンビニ慣れしてないツアーだ……)


案の定、店内が一瞬で戦場になりました。


おじいさんA「これ、電子レンジで温めてくれんか?」

店員「はい!」

30秒後、おじいさんBが同じ商品をレジに持ってきて

「温めてくれんかったぞ! 機械が壊れとる!」

 店員「それはまだレジ通してません。温める前ですよ」


おばあさんC「このおにぎり、税込でいくら?」

私「198円です」

おばあさん「え、税別? 税込?」を3回繰り返し、最後に

「……じゃあ2個ちょうだい。袋は有料なん? おにぎり高いねぇ!」


おじいさんD(80歳くらい)が、 ホットスナックコーナーの「からあげクン」をじーっと見つめて、

「これ、揚げたてかい?」

と聞くので、

「はい、できたてです!」

と答えたら、

おじいさん、真顔で

「じゃあ一個、試食させてくれんか?」


……試食!?


何か周囲も、

「そうそう、試食したい!」

と乗り気になり、

一瞬でホットスナック売り場が試食会会場と化しそうに。


私は慌てて

「試食はちょっと……!」

と止めたんですが、

おじいさんDが至極真面目に

「昔はスーパーで試食させてもらえたのにのう……時代は変わったなあ」

しみじみ言われて、なんか申し訳なくなってきました。


結局、からあげクンをたくさん売れました。

しかも個別に買っていたので、レジが完全に詰まりました。


もちろん他にもシニア客があちこち店内を見て回っています。

次々買っていきます。

商品が分からなくて、店員に聞いている人もいます。


バスが発車する前、

おばあさんが私に近づいてきて、

「若いのに頑張っとるのう。飴ちゃんあげるわ」

と、飴を一粒握らせてくれました。


……飴一粒で癒されました。


コンビニあるあるですが、シニアツアーのバスが来ると、いつもより心が疲れて、でもちょっと温かくなることもあるんですよね。


良い経験です。



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