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Act.37 金の髪の女の子


 クレアが女の子を連れてきた。

 女の子。

 ほんとに女の子。

 11才だって。今年魔術学校に入りたて。医療科。

 金の色のストレートの髪、緑色の瞳。

 可愛い。

 目鼻立ちがはっきりしてて、目も鼻も唇もすごく調ってて。

 ロランがちょっと止まるほど可愛い。

 11才だけど、ちょっと落ち着いてる感じ。

 子供っぽさがないほどじゃなくて、明るいけど、はしゃいだ雰囲気がない。

「ミリア・シャコンヌちゃんよ。優しくしてあげてね」

 すっごい笑顔のクレアが言った。

 優しくする以外何もできないけど、どうすればいいのかロラン硬直。

 ロランは年の割に小さいけど、ミリアちゃんは当然さらに小さい。

 とても素直な子で、クレアはよくこんなステキな子を連れてこられたなって。

 そうだ、お嫁さん探しは戦争なんだった……つまりクレアが勝ち抜いたと。

 クレアが負けるとは僕には思えないけど。

 11才、普通は結婚どうこうっていう年齢じゃないから、そこに隙を見つけたんだね。

 さすがSランク。

「まずお友達から始めましょ」

 優しい笑顔のクレア。

「3年くらい経ったら考え始めればいいのじゃないかしら」

 前回失敗したから、今回のクレアは浮かれてない。

「でもあまり先送りしちゃダメよ、女の子の一番大切な年頃だから」

 と、クレアからロランに助言。

 お友達っていうか……兄妹。

 それ以外ない。

 でも逆にロランにはよかったみたいで、すぐに仲良くなった。

 相性も悪くなさそう。ミリアは勉強が大好き。

 ロランがいろいろ教えてくれるから、いつもワクワクしてる。

 リビングのテーブルに本を広げてデート。

 どうだろう、と思うけど……本人たちが楽しいならいいのかな。

 もちろん外にも出かけるけど、ロランが16、ミリアが11才だからね、

 行けるところは多くないし、結局図書館とか行っちゃうし。

 外に出ても勉強デート。

 子どもだからか本人の趣味なのか、装飾品にほとんど興味示さない。

 この間、ロランがお店にミリアを連れて行った。

 そして不釣り合いにならないように、シンプルなペンダントをプレゼントした。

 11才の女の子への贈り物。

 初めて、ロランが自発的に。

 受け取ったミリアはペンダントを見て「嬉しい。ブレスレットはお勉強の時ちょっと邪魔だから」とのこと。

 ロランはご機嫌。

 クレアの作戦勝ちだね、これは。

 恋愛音痴のロランでも子どもには緊張しないから。

 ミリアは僕たちのことも大好き。

 魔獣とかバディとか、憧れの遠い存在。

 順当に進級しても7年後だから。

 普段は両親のバディと仲良しだそうだ。

 勉強の合間には黒猫を膝に乗せて、伏せしてるわんこをなでて嬉しそう。

 一生懸命話しかける。

『あの子さあ、ほんとに俺らのこと好きなのな』

『でもまだ魔獣っていう感覚薄いかも』

『だって、こないだのデートの時さあ、お前に〝一緒にお出かけ嬉しいね〟つってたし』

『僕は前回の修羅場を見てるから、ちょっと慎重派』

『修羅場?』

『結婚したら庭に小屋を作って僕を追い出すっていうのを、ものすごく可愛い言葉で言ったんだ』

『うわ。魔獣保護法違反じゃん! それ旦那に言ったのかよ!』

『うん。破談まで3秒くらいだったかな』

『ま、現状子どもだし、俺たちゃ静かに見守るだけだな』

 たまにご両親もいらしたりして、リビングで和やかなお茶会。

 お父さんは薬草調合専門の回復術士、お母さんは技術魔術師だって。

 オーダーで服や装備を作るんだ。魔力を込めたりして。

 この人のお父さんがマリスやロランのアームガードを作ってくれたんだって。

 ものすごくいいガードだよ。丈夫で使いやすくて皮が柔らかくて大好き。

 ステラのこともよく知ってて、ふたりのことですごく盛り上がったり。

 魔術師っていっても、ご両親は魔法結界の機序がわからない。

 でも理解しようとしてくれてる。

 僕にとって、それはすごく嬉しいこと。

 ロランの仕事の厳しさを思いやってくれる他人なんて初めて。

 羨ましがる人ばかりで、気持ちを寄せてくれる人は少ないから。


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