悪人にするんじゃねえ
最近筆が乗りません。いや、この場合は指か。
「だがな、そんな勇者パーティの中で唯一、そうじゃなかったのがゲインさんだった。他の奴らが親玉倒して満足してるなか、ゲインさんだけは俺達を守ってくれた。助けてくれた。ともに戦ってくれた。大将角だけ倒せばそれでいいって考えの勇者共と違ったて、ゲインさんは『勇者達なら任せられる。だから俺は人手が足りない防衛戦に参加する。そうすればきっと、より多くの人を救えるから』って、そう言ってボロボロになるまで戦ってくれたんだッ!!」
彼らの中の一人が、声を張り上げた。彼は、警備隊の隊長だった。上に立つ者として、彼にはとてつもない責任がのしかかっていた。しかし、ゲインの姿を見ていて思ったのだ。『隊の仲間の命し背負っていないのに、自分はなんて弱かったのか』と。人類全ての命を背負う勇者パーティの一員として戦場に立つゲインと比べ、自分はまだ肩が軽い筈なのに、ゲインはそれでも前を向き、必死に戦い、時に傷付き、時に悲しみ、そしてまた立ち上がって戦いに臨むその姿に彼は感化されたのだ。それに気付いて以降、彼はゲインと多くの感情を共有していた。ゲインは知らなかったであろうが、心は確かに同じ思いを抱えていた。だからこそ言い切れる――――――
「誰よりも平和を願ったゲインさんが!意味もなく平和を壊すようなことをする筈がねぇッ!勝手にその人を悪人にするんじゃねえぇぇッ!!」
警備隊隊長の渾身の絶叫。それは、群がっていた民衆の心に響き渡っていった。
長らくお待たせしたわりに、短くなってごめんなさい。最近は読む方ばかりしてしまってて…




